資金調達力の強化書
(画像=AndreyPopov/stock.adobe.com)

(本記事は、赤岩 茂氏(著、編集)、鈴木信二氏(著、編集)、倉澤芳弥氏(著)、小山淳一氏(著)、茂田雄介氏(著)の著書『資金調達力の強化書』=あさ出版、2022年5月16日刊=の中から一部を抜粋・編集しています)

クラウドファンディングのやり方を押さえよう

新たな方法での資金調達にもチャレンジ!

▶︎融資が厳しい新規事業でも活用度大!

クラウドファンディングとは、インターネットを通じて不特定多数の人に資金の提供を呼びかけ、その呼びかけに賛同してくれる人たちから資金を集める資金調達の方法です。

クラウドファンディングなら、会社の大小を問わず、プロジェクトを立ち上げることができるため、中小企業が新たな市場開拓や新規事業の立上げを目的に活用する事例が増えています。

新たな市場開拓や新規事業の立上げは不確実性が高く、リスクも大きいため、多くの中小企業は、そこに踏み込むことに躊躇(ちゅうちょ)していました。

また、金融機関も融資を行うことに非常に消極的になります。その点、クラウドファンディングなら事業に賛同してくれる人たちから資金を集めることができるため、その目的に向かって徐々に進んでいくことができます。

▶購入型・金融型・寄付型の3つの方法がある

クラウドファンディングには大きく分けて次の3つの方法があります。

その1 購入型クラウドファンディング

購入型クラウドファンディングは、出資者が物品や権利を購入することで、プロジェクトを支援するやり方です。出資に対してモノやサービスといったリターンを提供します。

資金調達の方法は2種類あります。

ひとつは、募集期間内に目標金額に達成した場合にのみ資金を受け取ることができる「All or Nothing(オール・オア・ナッシング)型」と呼ばれる方法です。1円でも目標金額に達成しない場合には資金を受け取ることができません。

もうひとつは、募集期間内に目標金額に達していなくても、期間内で集まった支援金を受け取ることができる「All In(オール・イン)型」と呼ばれる方法です。

その2 金融型クラウドファンディング

金融型クラウドファンディングは、プロジェクトに対して投資や融資という形で支援を行うやり方です。

具体的には、支援する会社に融資をして支援者は定期的に金利を受け取る仕組みの「融資型」、プロジェクトに対して出資してプロジェクトが生んだ利益に応じて分配金を受け取る仕組みの「ファンド型」、リターンとして資金提供先の会社の株式を受け取り、その株式の売却によりキャピタルゲインを得るという仕組みの「株式型」があります。

その3 寄付型クラウドファンディング

寄付型クラウドファンディングは、リターンを求めないという特徴があります。たとえば、被災地域の復興に対する寄付や、発展途上国の子供たちへの寄付といったことがあげられます。

▶クラウドファンディングを実行するまでの流れ

クラウドファンディングを行う際の流れは以下のとおりです。

資金調達力の強化書
(画像=『資金調達力の強化書』より)

▶プロジェクトに合わせて運営会社を選ぼう

クラウドファンディングをやったことのない会社が、いきなり自社で一から始めることは非現実的です。実績のあるクラウドファンディング運営会社に依頼し、アドバイスをもらいながら進めていくと効率的に始めることができます。

運営会社によって様々なサービスがあり、それぞれ強い分野やプロジェクトの手数料が違います。自社のプロジェクトに合った信頼のおける運営会社を選択しましょう。

資金調達力の強化書
赤岩 茂(あかいわ・しげる)
税理士法人報徳事務所 代表社員・理事長、公認会計士・税理士・情報処理システム監査技術者
法政大学経営学部卒業。在学中に公認会計士第二次試験合格。
卒業後監査法人などの勤務を経て平成元年に独立。
平成14 年、税理士法人報徳事務所を設立。代表社員・理事長に就任。
茨城大学大学院人文社会科学研究科非常勤講師、結城信用金庫員外監事、古河市代表監査委員、人を大切にする経営学会副会長などを務める。
法政大学大学院政策創造研究科客員教授、千葉商科大学大学院商学研究科特命教授、松下政経塾実践経営学講座主任講師、TKC 全国会創業・経営革新支援委員会委員長等を歴任。
著書に『財務経営力の強化書』(あさ出版・共著)、『後継者の仕事』(PHP 研究所・編著)、『「活力ある企業」の条件』(TKC 出版)、『進化の時代を乗り切るための人生と経営の道標』(ラグーナ出版)等多数。
鈴木信二(すずき・しんじ)
税理士法人報徳事務所 代表社員・東京本部長 税理士
横浜国立大学経営学部卒業。埼玉銀行(現りそな銀行)、会計事務所などの勤務を経て、平成6 年独立、平成18 年税理士法人アンビシャス設立、平成28 年税理士法人報徳事務所と合併、現在、同事務所代表社員・東京本部長。
経済産業省ローカルベンチマーク活用戦略会議委員、明治大学専門職大学院 グローバル・ビジネス研究科兼任講師、TKC全国会中小企業支援委員会副委員長、独立行政法人中小企業基盤整備機構中小企業アドバイザー。
著書に『財務経営力の強化書』(あさ出版・共著)、『後継者の仕事』(PHP 研究所・共著)、『Q&A 金融機関への正しい業績の伝え方のルール』(TKC 出版・共著)など多数。
倉澤芳弥(くらさわ・よしや)
税理士法人報徳事務所 黒字化支援部部長 税理士
埼玉大学経済学部卒業後、旅行会社を経て、税理士法人報徳事務所に入所現在に至る。
小山淳一(こやま・じゅんいち)
税理士法人報徳事務所 お客様支援部第二課長
行政書士・巡回監査士・法学修士・商学修士
青山学院大学経営学部卒業後、出版社、大学院を経て、税理士法人報徳事務所に入所。現在に至る。
茂田雄介(しげた・ゆうすけ)
税理士法人報徳事務所 お客様支援部 研修担当課長
巡回監査士
慶應義塾大学法学部卒業後、外資系損害保険会社を経て、税理士法人報徳事務所に入所、現在に至る。

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