(本記事は、中戸川 貢氏の著書『ワースト添加物 これだけは避けたい人気食品の見分け方』=ユサブル、2023年5月18日刊=の中から一部を抜粋・編集しています)
つい騙されてしまうニセ商品たち
本題に入る前に、コンビニやスーパーで売られている「卵によく似た何か」についてご紹介します。写真は、セブン-イレブンが2019年に発売した「カルボナーラパスタ❶」です。この真ん中に卵の黄身みたいなものが乗っかっていますが、表示の一番下をよく見ると「中心の卵黄のようなものは卵ではありません」みたいなことが書いてあります。「じゃあ、お前は誰だ!」という話です(笑)。
おもしろいからこれを買って、フライパンにあけてみました。本物の卵の黄身と並べて加熱してみると、なるほどニセ物のほうは、加熱する途中で速やかにブクブク溶けていきました❷。コンビニの強いワット数の電子レンジで加熱したときに、爆発しないように上手に作ってあるニセ卵黄(卵黄加工品)だったのです。
同様に、ファミリーマートが2022年に発売した「キーマカレー❸」にも、卵黄加工品が載っています。さらに、スーパーの「スタミナ豚丼❹」にも使われています。みなさん、普通に卵黄だと思って食べているのでしょうね。なんと、楽天などの通販サイトでは、このような業務用の卵黄加工品が「ハーフたまご(半熟風)❺」という名称で売られているので、誰でも買うことができます。ファーストフード業界各社では、2022年秋に 「月見バーガー」を販売していますが、あるユーチューバーの加熱実験によると、月見バーガーの中身の半熟卵を加熱しても、黄身が固まらないものがあったのです。動画を見ると、マクドナルドだけが本物の卵を使用していて、ロッテリア、ケンタッキー、モスバーガーは「ニセ卵(卵加工品)」でした。マクドナルドが一番ダメだと思っていた人は、少し反省しなければなりませんね(笑)。現代は、知らないうちに添加物がいっぱい使われている食品を手にする世の中だということです。
あなたは何を見て商品を選びますか?
私は原材料表示を見て選びます。
ですから、原材料表示のないハンバーガーチェーンやファミリーレストランが不安になります。原材料表示のあるコンビニ弁当のほうが、まだ安心できます。
こちらはニセ物というわけではないのですが、勘違いしやすい商品ということでご紹介します。
❻は、2015年に売られていた「四万十川産川のりだれ付納豆」です。大豆が四万十川、つまり四国産の大豆かと思ったら違います。輸入大豆でした。製造工場が四国なのかというと、それも違います。栃木県で製造しています。何が四万十川なのかというと、タレの「川のり」が四万十川産なのです。それなら「川のり風味」で美味しそうじゃないか! と思ったら、それも違います。「しそ風味」と書いてあります(笑)。
❼は、パックご飯「ふっくらつや炊き」です。「米どころ魚沼の…」と書いてあるので魚沼産のお米かな? と思ったら違います。よく読むと「米どころ魚沼の自然に育まれた水で…」と書いてあります。魚沼の水で炊いただけでした(笑)。
❽は、清涼飲料水「い・ろ・は・す もも」です。ラベル右上に「山梨県産白桃」と書いてありますが、その下に「無果汁」と書いてあります。無果汁なら、桃の産地はどうでもいいです(笑)。
❾は「1兆個すごい乳酸菌」というドリンクです。通販サイトに「ヨーグルト100個分」と書いてあったのですが、原材料表示を見ると「乳酸菌粉末(殺菌)」と書いてあるのです。乳酸菌、死んでました(笑)。死んだ乳酸菌も健康効果はあるのですが、ヨーグルト100個分と書いてあると、生きた乳酸菌が摂れると勘違いしそうです。
勘違いを防ぐために、表示はよく読みましょう!