(本記事は、中戸川 貢氏の著書『ワースト添加物 これだけは避けたい人気食品の見分け方』=ユサブル、2023年5月18日刊=の中から一部を抜粋・編集しています)
危険な添加物
私がここまで何度も伝えてきたのは「ミネラルの重要性」です。
腸に悪影響を及ぼす添加物はミネラルの吸収を邪魔するので、できるだけ避けたほうがいいというのが私の考えです。ですが、メリットとデメリットを考えて、それでも必要だと思えば、私も人工甘味料入りの薬を一時的に飲むことはあります。
日本は添加物も農薬も基準の緩い国です。そこら中に気をつけたい因子があります。だからこそ、農薬や添加物を摂ってしまったとしても次の食事や翌日の食事でミネラルをカバーしようという捉え方をしてもらえたらなと思います。間違えて食べてしまった添加物をもう食べないように…ではなくて、日々の食事の中で必要なミネラルを意識して摂取しながら、できる範囲で楽しく添加物を避けてもらえればいいと思います。
これから挙げる10種類のワースト食品添加物は、国が認可している添加物です。ミネラルが足りている人にとっては、ただちに健康に影響があるわけではありません。ただ私は、ほかに無添加の類似品が売られているのに、わざわざ体に負担のかかる添加物を食べなくてもいいじゃないかと思っているのです。
多くの添加物は、人体に必要のない化学物質ですから、ビタミンやミネラルを使って排除されます。発がん性があるから添加物を避けてほしいのではなく、人体に必要なミネラルを消耗するから添加物を避けてほしいのです。
中戸川が避けている添加物ワースト10
①人工甘味料(合成甘味料)
②合成着色料
③合成保存料
④防カビ剤
⑤発色剤(亜硝酸ナトリウム)
⑥たん白加水分解物・酵母エキス
⑦化学調味料
⑧パーム油
⑨乳化剤
⑩加工澱粉と増粘多糖類
①人工甘味料(合成甘味料)
私自身がもっとも避けている添加物1位は、人工甘味料です。「アスパルテーム」「スクラロース」「アセスルファムカリウム」「サッカリンナトリウム」「ネオテーム」「アドバンテーム」。この6つはぜひ手にでも書いて買い物に行っていただきたいくらい、避けてほしい人工甘味料です。
人工甘味料の危険性やエビデンスは後述しますが、腸と腸内細菌に悪影響がありそうなのです。腸の状態が悪化すると、腸脳相関といって脳が不安になります。その結果、精神的に不安定になるので、体への影響は大きいと思います。
毒性で考えたら、ほかに1位にすべき添加物はあります。ただ、合成保存料や合成着色料と異なり、人工甘味料は「体にいいと思って買う人がいる」ことが問題だと思っているのです。糖類たっぷりのジュースも体に負担がかかりますが、人工甘味料を使ったゼロカロリージュースもまた、体に負担がかかります。
サイダー、コーラ、カルピスなどの清涼飲料水には糖類が多く含まれています。例えばコーラだとスティックシュガーに換算すると18.8本分の糖類が入っています。スティックシュガーで換算するとヤクルトは 3.8本分。生きて腸まで届く乳酸菌ということで体にいいと毎日欠かさず飲んでる人がいますが、毎日欠かさず3.8本分の精製糖類を腸に入れて、本当に体にいいのか。体内の備蓄ミネラルがこのミネラルを含まない大量の炭水化物の代謝に追われてしまうので大変です。
そこで売られているのが「ゼロカルピス」です。ゼロカロリーでカルシウムをプラスしてありますが、残念なのは「アスパルテーム」「アセスルファムK(カリウム)」「スクラロース」が入っていること。
コカ・コーラ社はトクホコーラも製造していますが、これも人工甘味料だらけですし、キリンのトクホコーラにもやはり3種類入っています。ちなみに人工甘味料でこの「アスパルテーム」「アセスルファムK(カリウム)」「スクラロース」の3種類の組み合わせが多い理由としては、砂糖の味に近づくからです。
なぜ私がこれらの⼈⼯⽢味料を問題視するのかというと、痩せたい人や糖尿病の人が飲むのに逆効果だと⽰す論⽂が出ているからなのです。ネズミを使った実験でもかえって太るという結果が出ています。簡単にこのメカニズムを紹介すると、ゼロカロリーの清涼飲料水は、砂糖ゼロでカロリーゼロですが甘い。すると、脳は砂糖たっぷりのジュースを飲んだと勘違いします。血糖値が急上昇してくることを見越して、甘さを感じた段階であらかじめ、血糖値を下げるインスリンというホルモンを分泌してしまうようです。ところが、実際に飲んでいるゼロカロリー飲料には糖類が入っていないので、血糖値がインシュリンを作った分だけ低下してしまいます。血糖値が低下すると、体はすぐに血糖値を回復しようとして「空腹」の信号を出します。つまり、人工甘味料の飲料を飲めば飲むほど食欲が増加してしまうのです。糖尿病の人やダイエットを考えてる人が、これらのゼロカロリー飲料を飲んでしまうことによって、かえって太ってしまったり、血糖値コントロールを乱して糖尿病になってしまいます。