車購入で節税効果を最大化するには? 知っておきたい「定率法」のメリット
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(本記事は、石野 茉希氏(著者)、佐々木 健郎氏(監修)の『1割の経営者だけが実践している 会社と個人のキャッシュの増やし方』=あさ出版、2023年4月10日刊=の中から一部を抜粋・編集しています)

乗用車を買うなら3年10カ月落ちの中古車

定率法なら最短1年で償却ができる

減価償却で工夫できる資産の一つが「車」です。

会社で使用する車を購入する際、新車と中古車のどちらにするか迷われる経営者は多いですが、賢い経営者ほど、中古車、その中でも、3年10カ月落ちの中古車を選ばれます。

なぜなのか、詳しく見ていきましょう。

車は種類により耐用年数が定められています。

普通乗用車は6年で、3年10カ月落ちの中古車の場合は2年で償却することができます。

さらには、定率法で計算すると期首購入の場合、1年で償却ができるので、購入代金のほぼ全額をその年に償却することができます。

そのため、賢い経営者は、3年10カ月の中古車を購入し、定率法で減価償却するのです。

青山社長と赤木社長の例をご覧ください。

両者とも、期首に500万円の車を2台購入しています。

しかし、青山社長は3年10カ月落ちの中古車2台を、赤木社長は新車2台を購入しました。

青山社長は、定率法での減価償却を選択したことにより、998万円を損金に計上し、結果として法人所得の500万円全額を圧縮し、法人所得0円にすることができました。

2年目、繰越欠損金として498万円を、法人所得500万円から差し引くことができ、結果として法人所得を2万円に圧縮することができました。

ただし、事業年度の中途に購入した場合は、使用した月数での按分計算になるので購入時期には注意が必要です。

中古車購入における「定率法のメリット」を知る経営者はまだまだ少ないようです。

この機会にぜひ覚えておきましょう。

1割の経営者だけが実践している 会社と個人のキャッシュの増やし方
1割の経営者だけが実践している 会社と個人のキャッシュの増やし方
(画像=『1割の経営者だけが実践している 会社と個人のキャッシュの増やし方』より)
1割の経営者だけが実践している 会社と個人のキャッシュの増やし方
【著者】石野茉希(いしの・まき) 本名・渡辺エリ
株式会社イーアールアイ 代表取締役
株式会社トレーラーハウスフロンティア 取締役役員
新潟県魚沼市生まれ。宮城県石巻市在住。外資系保険会社で15年間プレイングマネージャーとして勤務する。法人・経営者に特化した中小企業の福利厚生・企業保険等を手掛ける。
2011年3月11日の東日本大震災を機に、大切なお客様に最良の保険提案をするため、多くの保険を扱うことのできる乗り合い代理店に転職。震災での体験から「経営者が自身の判断で自由に使えるキャッシュ」の重要性を感じ、税制や中小企業のための様々な制度を学び、わかり易くアドバイスをしている。
これまで培った知識と人脈を生かし、経営者の仲間を中心とした有志で『福禄寿の会』という勉強会を運営し、「福」:信頼できる友、「禄」:経営にかかわる知識、「寿」:健康に関する知識の3つをテーマに、経営者の継続的な学びの場の共創を目的として2016年から毎月開催している。
好きな言葉は「非課税」「減価償却」。
石巻商工会議所女性会 副会長/石巻商工会議所青年部 副会長/みやぎレディース中央会 理事/ライオンズクラブ国際協会2022年~2023年度宮城地区キャビネット会計/MDRT2023年度会員/AFP(日本FP協会認定FP)/TLC(生保協会認定FP)/相続診断士
【監修】佐々木健郎(ささき・たけお) 公認会計士・税理士
株式会社マネージポート会計事務所 代表取締役
コンサルティング会社、新日本有限責任監査法人等で、M&A、事業再生、DD・事業計画策定支援等に従事。2013年には大手地方銀行に常駐し、多数の事業再生業務を行う。SPCを利用した不動産や債権を中心とする証券化案件において、会計税務コンサルティング、期中管理業務等にマネージャーとして数百件に従事。
2013年、株式会社マネージポート会計事務所代表取締役に就任する。
事業再生研究機構 税務問題委員会 税制改正WG委員、事業再生実務家協会 会員、日本公認会計士協会 東京会 経営委員会 委員、東京都 まちづくり専門家 専門委員等を歴任。不動産証券化協会(ARES)主催「不動産証券化協会認定マスター養成講座 会計・税務編」のテキスト作成委員なども歴任。

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