まだの経営者は今すぐ作るべき 個人の支出を抑える「社内規定」
(画像=琢也栂/stock.adobe.com)

(本記事は、石野 茉希氏(著者)、佐々木 健郎氏(監修)の『1割の経営者だけが実践している 会社と個人のキャッシュの増やし方』=あさ出版、2023年4月10日刊=の中から一部を抜粋・編集しています)

「社内規程」をきちんと作成する

個人からの支出を減らし、法人で損金に計上する

従業員やクライアントの結婚祝いや出産祝い、見舞金などをご自身のお財布から出している経営者の方は多いのではないでしょうか。

個人のお財布から出ているお金は、給料(役員報酬)から所得税、住民税、社会保険料などの税金が引かれたあとの所得(可処分所得)から支出しています。

そこでおすすめしたいのが、「社内規程」の作成です。

社内規程を作成することで、お祝い金や見舞金などを法人から支出し、損金に計上することができ得るのです。

「社内規程」は、従業員との合意なしで定められる会社のルールのことです(場合によって、従業員にとって不利益となる内容については合意なしでは定めることができません)。

社内規程を作成しておくことにより、出張費や社宅費、福利厚生費なども損金に計上することができ得ます。

社内規程は税務署に提出する必要もなく、いつでも作成することができます。

文章化が必須ですが、作成のルールなどは特にありません。

損金などの問い合わせなどの際、社内規程が根拠となりますので、法律に抵触していないか、また、整合性がとれているかなどの確認も含め、専門家に相談しつつ作成するのが良いでしょう。税務調査でも、支出の根拠となる社内規定は確認されます。

社内規程を作成することにより、個人の可処分所得の中から支出していた様々な費用を法人から支出し損金に計上することができるようになるため、もし作成していない場合は、今すぐ作成することをおすすめいたします。

※本記事の情報はすべて刊行当時のものです。

1割の経営者だけが実践している 会社と個人のキャッシュの増やし方
【著者】石野茉希(いしの・まき) 本名・渡辺エリ
株式会社イーアールアイ 代表取締役
株式会社トレーラーハウスフロンティア 取締役役員
新潟県魚沼市生まれ。宮城県石巻市在住。外資系保険会社で15年間プレイングマネージャーとして勤務する。法人・経営者に特化した中小企業の福利厚生・企業保険等を手掛ける。
2011年3月11日の東日本大震災を機に、大切なお客様に最良の保険提案をするため、多くの保険を扱うことのできる乗り合い代理店に転職。震災での体験から「経営者が自身の判断で自由に使えるキャッシュ」の重要性を感じ、税制や中小企業のための様々な制度を学び、わかり易くアドバイスをしている。
これまで培った知識と人脈を生かし、経営者の仲間を中心とした有志で『福禄寿の会』という勉強会を運営し、「福」:信頼できる友、「禄」:経営にかかわる知識、「寿」:健康に関する知識の3つをテーマに、経営者の継続的な学びの場の共創を目的として2016年から毎月開催している。
好きな言葉は「非課税」「減価償却」。
石巻商工会議所女性会 副会長/石巻商工会議所青年部 副会長/みやぎレディース中央会 理事/ライオンズクラブ国際協会2022年~2023年度宮城地区キャビネット会計/MDRT2023年度会員/AFP(日本FP協会認定FP)/TLC(生保協会認定FP)/相続診断士
【監修】佐々木健郎(ささき・たけお) 公認会計士・税理士
株式会社マネージポート会計事務所 代表取締役
コンサルティング会社、新日本有限責任監査法人等で、M&A、事業再生、DD・事業計画策定支援等に従事。2013年には大手地方銀行に常駐し、多数の事業再生業務を行う。SPCを利用した不動産や債権を中心とする証券化案件において、会計税務コンサルティング、期中管理業務等にマネージャーとして数百件に従事。
2013年、株式会社マネージポート会計事務所代表取締役に就任する。
事業再生研究機構 税務問題委員会 税制改正WG委員、事業再生実務家協会 会員、日本公認会計士協会 東京会 経営委員会 委員、東京都 まちづくり専門家 専門委員等を歴任。不動産証券化協会(ARES)主催「不動産証券化協会認定マスター養成講座 会計・税務編」のテキスト作成委員なども歴任。

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