(本記事は、石野 茉希氏(著者)、佐々木 健郎氏(監修)の『1割の経営者だけが実践している 会社と個人のキャッシュの増やし方』=あさ出版、2023年4月10日刊=の中から一部を抜粋・編集しています)
「経営セーフティ共済」に加入する
突然の「もしも」に備えた共済制度
突然の取引先の倒産や災害などの有事の際、中小企業が受けるダメージは大きく、経営難に陥り、連鎖倒産などの可能性もあります。
そうした事態を防ぐため、突然の「もしも」に備えた「経営セーフティ共済」(中小企業倒産防止共済)があります。
経営セーフティ共済を運営している「中小企業基盤整備機構(中小機構)」とは、「国の中小企業政策の中核的な実施機関として、起業・創業期から成長期、成熟期に至るまで、企業の成長ステージに合わせた幅広い支援メニューを提供」(※「中小機構」ホームページ)して、中小企業の成長をサポートしている機関です。
現在、約59万社が加入し、貸付累計件数は約27万件、貸付累計額は約1兆9000億円にのぼっています(令和4年3月時点)。
「経営セーフティ共済」加入の条件(表参照)に該当する中小企業者で、1年以上事業を行っており、「資本金額」「従業員数」のいずれかの要件に該当する会社や個人であれば加入することができます。「経営セーフティ共済」をおすすめするポイントは次の5つです。
1 掛金の全額を損金に計上できる
2 40カ月以上掛金を納めると100%戻る
3 無担保・無保証人で掛金の10倍までの借入が可能
4 掛金の変更が自由自在
5 解約手当金の95%を一時貸付できる
掛金は損金に算入できます。また、要件を満たしていれば無担保・無保証人でそれまでの掛金の最高10倍(上限8000万円)まで借入することができます。
なお、掛金を損金に計上する場合は、確定申告時に必要書類の添付が必要となります。
「もしも」のときの連鎖倒産を防ぎ、資金調達手段として、資金繰りをバックアップしてくれるこの共済制度を使わない手はありません。
※本記事の情報はすべて刊行当時のものです。
株式会社トレーラーハウスフロンティア 取締役役員
新潟県魚沼市生まれ。宮城県石巻市在住。外資系保険会社で15年間プレイングマネージャーとして勤務する。法人・経営者に特化した中小企業の福利厚生・企業保険等を手掛ける。
2011年3月11日の東日本大震災を機に、大切なお客様に最良の保険提案をするため、多くの保険を扱うことのできる乗り合い代理店に転職。震災での体験から「経営者が自身の判断で自由に使えるキャッシュ」の重要性を感じ、税制や中小企業のための様々な制度を学び、わかり易くアドバイスをしている。
これまで培った知識と人脈を生かし、経営者の仲間を中心とした有志で『福禄寿の会』という勉強会を運営し、「福」:信頼できる友、「禄」:経営にかかわる知識、「寿」:健康に関する知識の3つをテーマに、経営者の継続的な学びの場の共創を目的として2016年から毎月開催している。
好きな言葉は「非課税」「減価償却」。
石巻商工会議所女性会 副会長/石巻商工会議所青年部 副会長/みやぎレディース中央会 理事/ライオンズクラブ国際協会2022年~2023年度宮城地区キャビネット会計/MDRT2023年度会員/AFP(日本FP協会認定FP)/TLC(生保協会認定FP)/相続診断士
コンサルティング会社、新日本有限責任監査法人等で、M&A、事業再生、DD・事業計画策定支援等に従事。2013年には大手地方銀行に常駐し、多数の事業再生業務を行う。SPCを利用した不動産や債権を中心とする証券化案件において、会計税務コンサルティング、期中管理業務等にマネージャーとして数百件に従事。
2013年、株式会社マネージポート会計事務所代表取締役に就任する。
事業再生研究機構 税務問題委員会 税制改正WG委員、事業再生実務家協会 会員、日本公認会計士協会 東京会 経営委員会 委員、東京都 まちづくり専門家 専門委員等を歴任。不動産証券化協会(ARES)主催「不動産証券化協会認定マスター養成講座 会計・税務編」のテキスト作成委員なども歴任。
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