敬意ある「NO」を言うための6つのルール
(画像=khosrork/stock.adobe.com)

(本記事は、アイヴァン・マイズナー博士によるリファーラルマーケティングについてのコラムの中から一部を抜粋・編集しています)

アイヴァン・マイズナー
著:アイヴァン・マイズナー
世界最大級のビジネスリファーラル組織であるBNIの創立者兼CVO(チーフ・ビジョナリー・オフィサー)。1985年にBNIを創立。BNIは、現在、全世界に数千のチャプターを有し、毎年メンバー間で何百万ものリファーラルが交わされ、約1兆円ものビジネスがメンーにもたらされている。アメリカのニュース専門放送局(CNN)から「現代ネットワーキングの父」との異名を取り、「ネットワーキングの権威」とも呼ばれている。

ビジネスネットワーキングの成功のためには、深い人間関係を構築し、人の役に立つ方法を学び、何らかの形で仕事上つながりのある人たちを支援する必要があります。しかし、時として、あなたへの頼まれごとに対して「NO」と言わなければならないこともあります。

誰かのビジネスチャンスが、あなたにとっての妨げになる場合があります。それは、あなた自身の個人的あるいは仕事上のミッションを知ることから始まります。

特に、ある人のプロジェクトが、あなたとつながりのある人が掲げるミッションと違っていたり、あなたのビジネスや人生にとって相容れないものであったり、ということがあります。このような状況では、「NO」の言い方を学ぶ必要があります。

「NO」という言葉は、そのひと言で1つの文章になり得ることを覚えておいてください。あまり頻繁に使いたい言葉でもありませんし、多くの人が、私と同じように感じていると思います。私はもちろん必要な時は、迷わず「NO」と言うことができます。その秘訣は、気負わずに「NO」と伝えながらも、「関心がない」と思われないようにすることです。

「NO」と言うための6つの方法

相手に対して敬意を持って伝えるなら、これらの方法が非常に効果的に機能することに私は気付きました。

・「私は結構です」
時に、私のお願いや返事はとてもシンプルです。 例えば、誰かが私にケーキやパイを食べさせようとしたら、「ありがとう、でも加工糖は食べないんだ」とさらっと言うのです。それで、「ひと口だけでもいかが」と言われたら、私は砂糖を摂らないから遠慮せず私の分も召し上がってとさらっと伝えます。

・「はい」と言ったら、がっかりさせてしまうことになる
相手に「NO」と伝える効果的な方法は、頼まれたことを私がすることで、逆にその人たちをがっかりさせることになると伝えることです。それは、もしかしたらあなたにはその依頼に応えるための余力や知識、専門的な技量がないためかもしれません。いずれにしても、あなたはその依頼を成功させる人ではありませんし、あなたも相手を失望させたくはないはずです。

・もっと適した人を紹介する
私が誰かに「NO」と言うときは、協力を仰ぐのにもっとふさわしい、あるいは資質のある誰かを紹介するようにしています。私は、紹介する人のビジネス上の目的と、協力を必要としているプロジェクト内容が合致している人に紹介したいと思っています。

・他のことを提案する
依頼されたことに対応できないときは、代わりに別のことを提案しましょう。たとえば、私は私のメーリングリストに何かの案内を発信してもらえないかと頼まれることがよくあります。私の答えはいつも「NO」です。その代わり、私の知人であったり、信頼している人からのお願いであれば、その方との関係性は維持したいので、別のこと、つまり私のソーシャルメディアに投稿することを提案すると、大抵うまくいきます。

・その場しのぎの言い訳や言い逃れをしない
アメリカの古い人気ドラマ「となりのサインフェルド」では、登場人物たちが思いもよらない複雑な言い訳や言い逃れを思いつくのですが、最初から率直であればそんな面倒な事態にはならなかったのにというエピソードがいくつかありました。正直で率直でありながら、礼儀正しくありたいものです。

・言うときは、本気で言う
毅然として、同じことを言い続けましょう。時に、人は「NO」という答えを受け取りたくないものです。私は、礼儀正しく、笑顔で、これまで述べてきたことを何度も言い続けるようにしています。

〜相手の計画性のなさに「NO」と言う〜
ある人が、締め切りを間近に控えた今すぐ完成させなければならない重要な書類を送ってきたことがありました。念のためにお伝えすると、その人はその書類を数ヵ月前には私に送ることができたはずでした。ただ、計画性のなさから、ぎりぎりになってからようやくそれを私に送ってきたのです。当時、私は出張で海外にいたのですが、数週間にわたって立て続けに出張が予定されており、私が出張中であることはわかっていたのにもかかわらずです。

彼らは私やアシスタント、そして妻に2日間で3回もメールを送ってきました。会議の合間に彼らにメッセージを送り、このように伝えました。「あなたが困っている状況は気の毒に思いますが、それはあなたの見通しが甘かったためであり、私があなたの計画を優先することはありません。 何ヶ月も時間はあったはずで、ぎりぎりになって(私が多忙極まりないときに)送ってきて、あなたは今すぐ欲しいとのこと。「NO」です。今すぐはできません」。

毅然とした態度で、その依頼を断る返事をしなければなりませんでした。また、なぜ「NO」と言ったのかを明確にし、彼らにその責任を押し戻しました。彼らの稚拙を私が優先する必要はありませんから。

ただし、大切なことは、常に「NO」と言う癖を付けないことです。私は人を手助けする機会を探し、「YES」と言うようにしています。私が「NO」と言うのは、本当に力になれないときやあるいは自分がその人の依頼にふさわしくないと思うときだけです。

実際に自分が関わるべきなのか、あるいは妨げになるのか、自分の中ではっきりさせる必要があります。そして、それが自分にとってベストな答えであるときに、サラリと「NO」と言えるようになりましょう。

訳=川崎あゆみ

リファーラルマーケティング
【著者】アイヴァン・マイズナー、マイク・マセドニオ、大野真徳 【訳】小川維
年間1兆円のビジネスが生まれ「最も費用対効果の高いマーケティング」と称賛された戦略 全米ベストセラーが遂に日本上陸!

【世界の「ビジネス書」著者も絶賛!】
人生でたった一冊しかネットワーキングに関する本を読まないとしても、この本さえ読めば成功に必要なすべてを得ることができるでしょう。シンプルで飾らない、究極のリファーラルマーケティングの手引きです。
『こころのチキンスープ』著者 ジャック・キャンフィールド

いつの時代にも必要不可欠な一冊です。紹介をもとにしたマーケティングでビジネスを強力に後押しし、つねに競合他社の先を行く存在になるにはどうすればよいのか。本書を読めば、あなたが知るべきこと、実践すべきこと、そしてあなたの取るべき態度のすべてを知ることができるはずです。
40冊以上の書籍の著者 ブライアン・トレーシー

あなたの事業を「ふつう」あるいは「まあまあ」の状態から、ずば抜けて成功した状態に変えることができるとしたら? それもシンプルかつ実証された方法があるとしたら、知りたくはないですか? もし答えが「イエス」なら、この本を読んでください。
『一生モノの人脈力』著者 キース・フェラッジ

※画像をクリックするとAmazonに飛びます