企業イメージはPR戦略で作り上げる
(画像=ParinApril/stock.adobe.com)

(本記事は、アイヴァン・マイズナー、マイク・マセドニオ、大野真徳(著者)の『リファーラルマーケティング』=アチーブメント出版、2015年6月30日刊=の中から一部を抜粋・編集しています)

アイヴァン・マイズナー
著:アイヴァン・マイズナー
世界最大級のビジネスリファーラル組織であるBNIの創立者兼CVO(チーフ・ビジョナリー・オフィサー)。1985年にBNIを創立。BNIは、現在、全世界に数千のチャプターを有し、毎年メンバー間で何百万ものリファーラルが交わされ、約1兆円ものビジネスがメンーにもたらされている。アメリカのニュース専門放送局(CNN)から「現代ネットワーキングの父」との異名を取り、「ネットワーキングの権威」とも呼ばれている。

企業イメージを形成するPR戦略

もう1つ、よいリファーラルマーケティング・プランをつくるうえで重要なのは、適切な広報(PR)戦略です。今日のメディア中心の社会では、あなたのビジネスの盛衰は、メディアにどう映るかにかかっていると言っても過言ではありません。印刷物であれ、テレビであれ、オンラインであれ同様です。地元のビジネス雑誌や新聞のビジネス欄、ウェブサイトを見てみてください。どれを見ても、企業の経営者や地元の事業者の特集記事やインタビューが載っています。

これらの記事のほとんどは、その記事で取り上げられている人物がPR会社に作成を依頼しているものです。その人を紹介する文章も、取り上げられている個人または企業が、資金を出して、PR会社と協力して作成しています。取り上げられている個人や企業がお金を出しているわけです。あるいは、社内の広報担当者と協力して作成している場合もあります。

あなたが歴史ある町に拠点を置く、改築工事の請負業者だとしましょう。市議会で歴史的建造物の修復を行うことが決まったとします。この場合、その建物が地域にとって、どれほど重要なのかについて、質の高いインタビューを行うことで、何百もの建設業者、開発業者、保全団体、歴史協会、その他、建築や歴史保全に関心のある人たちの目を引くことができます。

ここで、バージニア州リッチモンドに拠点を置く、ある工具店の経営者の話をご紹介しましょう。彼は、地域での露出度を高め、新規ビジネスを獲得したいと考えていました。注目を集めることで販売している商品の宣伝につなげようと、彼は都市彫刻コンテストを後援することにしました。このコンテストでは、参加者は、いらなくなった工具だけを使って作品をつくります。彼は、参加者の努力が伝わるように、制作中の作品の写真と、完成した作品の写真を撮影しました。さらに、PR業者を使い、終始確実に露出度を最大化できるようにしました。その結果、コンテストの審査が終わってから数週間後、地元で最も評判のある雑誌で大きく取り上げられました。PR業者は、コミュニケーションの手はずを整え、クチコミを広げ、雑誌の出版元に掛け合って、自分たちの指示どおりの記事を載せてもらえるようにしました。

一般の読者の目には、いや、一般のマーケティング担当者の目にさえ、その記事は出版社がライターを雇って書いたか、外部の記者が書いたものに見えたはずです。

PRと広告の違い

あなたのビジネスに関する記事(何ページにもまたがる写真付きの記事)を出版物に載せてもらうのは、同じ出版物にページの広告を出すよりも、ずっと少ないコストで済みます。PRと広告の違いは、「獲得したメディア」と「購入したメディア」の違いだと考えることができます。記事やインタビューは確実に載せてもらえる保証はありません。一方、広告は契約に基づいて確実に載せてもらえるという違いがあります。なるほど、事前に計画を立て、人と協力して記事を作成し、それを載せてもらうには、それなりの努力が必要です。しかし、多くの場合それは合理的な投資になります。たとえ、あなたのターゲットが掲載された記事を見逃したとしても大丈夫です。高画質で光沢のある紙に記事を再印刷し、魅力的な資料にして保管しておけば、キーアイテムとして長期にわたって使用することができます。

報道してもらうには、報道価値が必要

意外かもしれませんが、編集者や記者は、記事のアイデアをあらゆる場所に求めています。新聞や雑誌で取り上げてもらおうとする人の多くは、ニュースリリースではなく、パンフレットを送ります。ところが、彼らは次のことを見落としています。多くの読者は、仕事で疲れていて、注意も散漫、精神も疲れぎみです。編集者や記者が求めているのは、そんな読者の心に引っかかる要素や、読者に訴えかける視点、あるいは、読者との接点です。編集者や記者に何かを送る際は、下調べも必要です。よい記事を間違った記者に送ってしまっては、全員の時間が無駄になります。

多くの新聞や地元の雑誌は、彼らの紙面に価値を加えてくれるような記事なら、ぜひ受け取りたいと思うはずです。したがって、あなたがすべきことは、なぜ読者がそのアイデアに関心をもつのか、なぜそれがニュースに値するのかを編集者に伝えることです。あなたのしていることが、どう地域の人の心に訴えかけるのかや、どのような点で広く影響を及ぼすのかを伝えましょう。果たして、編集者や記者があなたのビジネスの活性化に協力してくれるのでしょうか? もちろんしてくれます。それには、自分が記事を載せてもらいたい出版物を読み、あなたと関心が一致するトピックを書いている記者を見つけましょう。そして、最高のアイデアをメールや電話で伝えます。記者や編集者に電話をする際は、ほかの人に対するのと同様に、最大限プロフェッショナルな態度を取りましょう。

あらゆるメディアを考慮に入れます。ただし、読み手や聴き手があなたの会社に合っている必要があります。どのメディアも、読み手や聴き手に関する統計データを持っています。企業イメージの維持と同様に、PRプログラムにも一貫性をもたせたければ、プロの手を借りて計画を立てることを検討しましょう。

リファーラルマーケティング
【著者】アイヴァン・マイズナー、マイク・マセドニオ、大野真徳 【訳】小川維
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