IPO(新規上場)の審査基準
IPOで企業が上場するには、各証券取引所が設ける審査基準をクリアする必要があります。いずれの市場でも審査基準は形式基準と実質基準の2つに大きく分けられます。
東京証券取引所が運営する一般市場の主な形式基準は以下のとおりです。
■新規上場に係る形式基準(一部抜粋)
項目 | プライム市場 | スタンダード市場 | グロース市場 |
---|---|---|---|
株主数 | 800人以上 | 400人以上 | 150人以上 |
流通株式数 | 20,000単位以上 | 2,000単位以上 | 1,000単位以上 |
流通株式 時価総額 |
100億円以上 | 10億円以上 | 5億円以上 |
時価総額 | 250億円以上 | ー | ー |
流通株式比率 | 35%以上 | 25%以上 | 25%以上 |
利益の額 又は売上高 |
最近2年間の 経常利益の総額25億円以上 又は 最近1年間の売上高 100億円以上かつ 時価総額1,000億円以上となる 見込みのあること |
最近1年間の 経常利益1億円以上 |
ー |
純資産の額 | 50億円以上 | 正 | ー |
事業継続年数 (取締役会設置) |
3年以上 | 3年以上 | 1年以上 |
公募の実施 | ー | ー | 500単位以上 |
※東京証券取引所ホームページをもとに作成
また、スタンダード市場を例に、実質基準で求められる項目を抜粋して見ていきます。 ■スタンダード市場の実質基準(一部抜粋)
項目 | 内容 |
---|---|
1.企業の継続性及び収益性 継続的に事業を営み、かつ、安定的な収益基盤を有していること |
・事業計画が、そのビジネスモデル、事業環境、リスク要因等を踏まえて、適切に策定されていると認められること ・今後において安定的に利益を計上することができる合理的な見込みがあること ・経営活動が、安定かつ継続的に遂行することができる状況にあること |
2.企業経営の健全性 事業を公正かつ忠実に遂行していること |
・関連当事者その他の特定の者との間で、取引行為その他の経営活動を通じて不当に利益を供与又は享受していないこと ・役員の相互の親族関係、その構成、勤務実態又は他の会社等の役職員等との兼職の状況が、公正、忠実かつ十分な業務の執行又は有効な監査の実施を損なう状況でないこと ・(申請会社が親会社等を有している場合)親会社等からの独立性を有する状況にあること |
3.企業のコーポレート・ガバナンス及び内部管理体制の有効性 コーポレート・ガバナンス及び内部管理体制が適切に整備され、機能していること |
・役員の適正な職務の執行を確保するための体制が、適切に整備、運用されている状況にあること ・内部管理体制が適切に整備、運用されている状況にあること ・経営活動の安定かつ継続的な遂行及び適切な内部管理体制の維持のために必要な人員が確保されている状況にあること ・実態に即した会計処理基準を採用し、必要な会計組織が、適切に整備、運用されている状況にあること ・法令遵守の体制が適切に整備、運用され、重大な法令違反となるおそれのある行為を行っていない状況にあること |