トヨタ流 仕事の「見える化」大全
(画像=KasparsGrinvalds/stock.adobe.com)

(本記事は、松井 順一氏、佐久間 陽子氏の著書『トヨタ流 仕事の「見える化」大全』=アスコム、2021年9月18日刊=の中から一部を抜粋・編集しています)

「ダラダラ仕事」のムダを取り締まる

“標準時間”の「見える化」

仕事に取りかかってから、ファイルを探したり、下準備を行ったりしていると、いつ仕事が終わるのかわからず、一日の仕事量が妥当なのかもわからない状態になっています。

それは、段取りや手順を考えずに、目の前の作業に取りかかることで起こります。段取りや手順を考え、ダラダラ仕事を防止するには、標準時間を設定し、見えるようにします。

組織として、どの程度の労働コストをかける価値のある仕事かを見積もったものを標準時間といいます。標準時間は職場で決めます。通常は、ひとつの仕事の完了までの最速の時間が標準時間です。

標準時間の「見える化」は、「業務指示カード」に標準時間を記載することで行います。「業務指示カード」は指示を出す人が作成し、カード1枚につき1作業を記載します。「業務指示カード」に標準時間という項目を設け、その作業に対する標準時間を記載しておきます。同じ作業であれば実施する人が異なる場合でも標準時間は変わりません。標準時間が明確になっていると、仕事を行う人は時間を意識し、段取りなどを考えるようになり、標準時間内に終わらせようとします。

また、「業務指示カード」に実績時間という項目も設けておくと、実際にその仕事にかかった時間を記録することで、標準時間との差を認識でき、実績時間が長くなった場合は、その原因を考え、改善につなげることができます。

トヨタ流 仕事の「見える化」大全
(画像=『トヨタ流 仕事の「見える化」大全』より)
トヨタ流 仕事の「見える化」大全
松井順一
コンサルソーシング株式会社代表取締役。
中小企業診断士、システムアナリスト、情報システム監査技術者。
アイシン精機株式会社にてABS等の新製品開発に従事。微小洩れ測定法開発にて科学技術長官賞を受賞。その後、社団法人中部産業連盟、トーマツコンサルティング株式会社、現職にて、TPSベースの営業・管理間接・開発・サービス業務改善、製造ライン構築・現場改善、5S、目で見る管理、経営戦略のコンサルティングを行う。現地現物での実践重視の人づくりに定評がある。【著書】「ダンドリ倍速仕事術100の法則」「実践 問題解決最強ツール37」「仕事の見える化99のしかけ」「仕事のミスをなくす99のしかけ」(日本能率協会マネジメントセンター)「職場のかんばん方式トヨタ流改善術ストア管理」「職場のかんばん方式2 トヨタ式人づくり改善塾 」(日経BP社)他
佐久間陽子
コンサルソーシング株式会社 コンサルタント。
教育系出版社・教育サービス会社にて、営業、事業戦略企画・管理、校舎・講師マネジメント・指導に従事。
現職では、管理間接部門向け改善ツールの開発、5S・目で見る管理による管理間接業務改善、事業戦略企画・管理、方針管理、次期経営幹部養成のなどの経営コンサルティング、企業内研修に従事。eラーニングコンテンツ開発。日本能率協会・商工会議所などのセミナー講師として登壇。【著書】「ダンドリ倍速仕事術100の法則」「オフィスの業務改善100の法則」「仕事の見える化99のしかけ」「営業の見える化99のしかけ」「オフィスの業務改善99のしかけ」(日本能率協会マネジメントセンター)

※画像をクリックするとAmazonに飛びます