丸美屋食品の阿部豊太郎社長は1月12日、同社銀座オフィスで業績報告会を開き、2021年12月期の事業実績、概況について報告した。当期の総売上高は564億3700万円(前期比4%増)となり、22期連続で増収となった。毎年3%程度の安定成長を続けており、2023年12月期に総売上高600億円を狙えるところまで来ている。
「2021年は、前年に巣ごもり需要で伸びた商品は反動減となったが19年比では伸びており、総じて高止まりしている。当期の伸び率の約半分はキャラクター商品群によるもの。その他、即食や簡便調理に対応した商品、小容量品、また『贅を味わう』や釜めしの限定品などレギュラーよりもワンランク上の商品が増収に寄与した」と阿部社長。キャラクター群では「鬼滅の刃」シリーズが引き続き好評を得て、シリーズ5品で19億5000万円を売り上げた。
基幹3群(ふりかけ・中華・釜めし)はトータル1%増となった。ふりかけ(キャラクター商品除く)・釜めしは好調で過去最高売上を更新した一方、中華は前年並みにとどまった。発売50周年で売上高100億円を狙ったレギュラーの「麻婆豆腐の素」は97億円(2%減)だった。2021年は、中華市場全体で2020年に伸ばした反動があり、麻婆豆腐も市場全体で6%程度減少したという。
当期総売上高のうち市販品は477億400万円(3.4%増)、OEMを含む業務用・その他は87億3400万円(7.4%増)で共に増収。期中に発売した新商品の売上構成比(市販品売上高に占める割合)は9.4%と過去最高に達したが、キャラクターの新商品を除くと5%弱となり、目標の5%には、わずかながら及ばなかった。利益は非公表だが、製造原価率の上昇が響き、微増益となったもよう。
商品群別の実績は、ふりかけ1%増、中華前年並み、釜めし1%増、お茶漬け4%増、キャラクター24%増、米飯32%増となった。ふりかけの旗艦「のりたま」群は売上高53億円(4%減)で、その他ふりかけは「味道楽」1%増、「すきやき」3%減、「混ぜ込みわかめ」シリーズ6%増、ソフトふりかけシリーズ前年並み。中華は「麻婆豆腐の素」2%減、「麻婆茄子の素」8%増、春雨シリーズ3%増、麺用ソースシリーズ1%増、「贅を味わう」シリーズ5%増。また、主な釜めしの実績は、「とり釜めしの素」6%減、「五目釜めしの素」3%減、期間限定品28%増だった。
2022年度について阿部社長は、「コロナで先行き不透明な状況だが、家庭内の需要は高止まりで推移すると思われる。消費者が求める商品をコロナ後も見据えて、提案していく」と語る。まずは基幹商品で基盤を固め、次に中核を担う商品群の育成に努める考えだ。レギュラーの「麻婆豆腐の素」は、売上高101億円をめざす。
2022年12月期の総売上高は583億円で3.3%の増収、利益は原料高騰の影響をふまえ微減を見込む。