
キーコーヒーは3月4日、取引先企業向けの会合「第11回クレドール会」を都内で開催した。この会は、キーコーヒーの経営方針や企業活動を共有し、取引先との連携を深めることを目的としたもの。第11回となる今回は、コーヒー生産の未来を見据えた取り組みや経営方針が紹介され、約430名が参加した。
第1部では、「コーヒーの2050年問題」に対する取り組みを“コーヒーの未来部”のメンバーが紹介した。これは、気候変動によりアラビカ種のコーヒー栽培適地が現在の50%まで減少する可能性があると警鐘が鳴らされているもの。
発表では、キーコーヒーが環境省とともに進めているエチオピアの約224万人の小規模コーヒー生産者を支援するプロジェクトについて語った。“未来部”のメンバーらは、昨年エチオピアを訪問し、生産者や現地研究機関と交流を深めたという。
そして、同社が現地で行った営農セミナーで、気候変動の影響を緩和する具体的な技術指導を行い、コーヒーの新植の推奨や木製ハンドパルパーを用いた精選方法の改善などに取り組んだことを紹介した。
その後は同社の経営方針について、柴田裕社長が2026年3月期の重点指針として3つを発表した。
1つめは、全社一丸となってブランド価値向上を推進する、営業利益額を最大化することを目指す「収益力強化」。2つめは、業務効率を大きく改善し、収益力強化に寄与、人的資本の価値を最大化、新たな商品・サービスを開発する「経営基盤強化」。3つめは、自社を中心にサステナビリティを実現する、グループ会社をサポートし、連結収益を改善する「グループ総合力強化」を挙げた。
柴田社長は、「2030年に向け“珈琲とKISSAのサステナブルカンパニー”を目指している。持続可能なコーヒー生産の実現や日本独自の喫茶文化を未来につないでいく」と語った。

第2部の懇親会では、銀座ルノアールの岡崎裕成社長が乾杯の挨拶を行った。会場の一角では春商品が陳列され、商品担当者が来場者からの質問に答えた。
また、新任執行役員として、福田厚経営企画部長、柳雅人事業本部長、前田重敏流通営業本部長、河合啓輔管理本部長兼総務人事部長が、現任の執行役員とともに壇上で紹介された。