〈「農林水産大臣賞」はとうふ工房ゆう「特選よせとうふ」、史上初2度目の最優秀賞〉
全国豆腐連合会(全豆連)は11月9日、沖縄県市町村自治会館で「第12回ニッポン豆腐屋サミット」を開催し、講演会や車座座談会を実施した。同日、「第8回全国豆腐品評会」と「第1回島豆腐品評会」の表彰式を行った。
「第8回全国豆腐品評会」では、本選は63事業所96品の豆腐製品が審査された。最優秀賞にあたる「農林水産大臣賞」に、とうふ工房ゆうの「特選よせとうふ」が輝き、史上初の2度目の最優秀賞を受賞した(1回目は2017年に受賞)。「農林水産省大臣官房長賞」は、充填豆腐の部は、今井とうふの「こだわりの濃い~きぬ」、絹ごし豆腐の部は、とうふ工房ゆうの「特選絹ごし」、木綿豆腐の部は、山本とうふ店の「山本の豆腐(にがりもめん)」が選ばれた。
とうふ工房ゆうの大久保裕史氏は、「(お客との出会いは)一期一会だ。毎日毎日、精進と考え豆腐を作ってきた甲斐があった。2回目の日本一を獲れたことを嬉しく思う。皆で豆腐業界を盛り上げていきたい」と語った。
「第1回島豆腐品評会」では21社24品が審査され、最優秀賞の「内閣府沖縄総合事務局長賞沖縄県知事賞」にひろし屋食品、「沖縄豆腐組合賞」にゼネラルインターナショナル玉城豆腐店(袋)、「全豆連賞」にマルサン豆腐店が選ばれた。
ひろし屋食品は、真空パックの島豆腐を販売しており、島豆腐としては珍しく東京都や大阪府の物産展などでも購入できる。同社は、「島豆腐は4~5日しか日持ちしない。県外に配送すると2~3日かかるため、到着時点で賞味期限が残り2~3日ほどしかなかった。百貨店で真空パック詰めにされたたくあんを見つけ、これなら県外の人に島豆腐を知ってもらえるかもしれないと思った」と真空パック詰めに至った経緯を語った。
優秀賞には、宇那志豆腐、ゼネラルインターナショナル玉城豆腐店(パック)、まえさと(島豆腐)、池田食品、諸見食品が選ばれた。
品評会の総評を、京都府の現代の名工(京都府優秀技能者表彰受賞者)に選ばれた全豆連の東田和久会長が述べた。「選ばれるにあたり、ポイントは2つあった。1つは、地豆腐を作っていたこと、もう1つは、『ニッポン豆腐屋サミット』の開催を継続したことだ。皆の力がないと出来なかったことだ。町の豆腐屋が作る豆腐が脚光を浴びる時代になっている。その時代の流れに乗り、豆腐を自分自身で磨いていって欲しい」と語った。
次回の「ニッポン豆腐屋サミット」は、香川県で開催される。
〈車座座談会、「豆腐は食べ物ではなく、アニメやゲームと並ぶコンテンツ」〉
車座座談会では、ファシリテーターを平野道也実行委員が務め、豆腐の文化を根付かせるような取り組みをテーマに、会場の参加者とともにフリートークを行った。同日に福井県で開催されていた油揚げの「あげフェス」と中継し、約1万人の来場があったことが紹介された。
会場からは、豆腐作りの体験の後に豆腐の懐石料理を食べてもらうイベントを企画した事例や、ゆばに興味を持ってもらうために、ゆばの無料食べ放題を実施した事例などが紹介された。
他にも、沖縄県豆腐油揚商工組合ではゆし豆腐の食べ比べイベントを実施したこと、別の豆腐店では地域の行事と絡めて豆腐入りけんちん汁を食べる試み、豆腐ドーナツを小学生が揚げる体験などが挙がった。
会場からは、「豆腐はただの食べ物ではなくコンテンツだと思っている。豆腐には歴史もあり、ストーリーもあり、食文化や地域性もある。アニメやゲームと並ぶ日本のコンテンツだ。いろんな切り口でそれを表現していけば、この業界はもっと発展するし、そんな未来はワクワクする」との意見が挙がった。
〈大豆油糧日報2024年11月15日付〉