従業員に解雇を通知するタイミング
労働基準法では、解雇を行う際には少なくとも30日前に解雇の予告を行う必要があると定められています。その際、従業員に対して解雇の説明を十分に尽くして理解してもらうことが大切です。
解雇予告は口頭でも有効ですが、後々にトラブルを回避するためにも解雇する日と具体的理由を明記した「解雇通知書」を作成することが理想です。 また、従業員から作成を求められた場合は、解雇理由を記載した書面を作成して本人に渡す必要があります。
廃業するタイミングから逆算したうえで、スケジュールに余裕をもった状態で予告し、従業員に十分納得してもらうような説明、対応が経営者には求められます。
会社を廃業する際の、従業員の給与について
当然ながら、整理解雇後は、会社から給与や賞与が支払われなくなります。
当面の間は後述の失業保険の給付に頼ることもできますが、それだけでは解雇前の収入の5~6割程度しか維持できません。
そのため従業員に支払う給料に関しては、何があっても未払いとなることを回避し、退職時にトラブルが起きないようにしなければなりません。
また従業員が少しでも早く次の就職先を見つけられるように、会社側もできる限りのサポート体制を構築することが大切です。
会社を廃業する際の、従業員の退職金
会社を廃業する場合、給与とは別に、従業員に対して退職金を支払う準備が必要です。 退職金の金額に関しては、退職金規程や就業規則などに定められた算定方法に基づき、支払うべき金額を算出します。人数が多ければ算出に時間がかかるため、あらかじめ余裕をもって間違いのないように準備をしておきましょう。
万が一、規程や規則などで退職金の支払いを定めていない場合は、退職金を支払う法的な義務はなく、最終的に支払うかどうかは経営者による判断となります。
また、解雇する30日以上前に解雇予告をしていない場合は、会社側は従業員に対して退職金とは別に解雇予告手当を支払うことが労働基準法で義務付けられています。解雇予告手当の金額は、30日に満たない日数分の平均賃金を支払うと定められています。
平均賃金×(30日-解雇予告から解雇までの日数)
第二十条 使用者は、労働者を解雇しようとする場合においては、少くとも三十日前にその予告をしなければならない。三十日前に予告をしない使用者は、三十日分以上の平均賃金を支払わなければならない。
但し、天災事変その他やむを得ない事由のために事業の継続が不可能となった場合又は労働者の責に帰すべき事由に基いて解雇する場合においては、この限りでない。
※労働基準法 第二十条より抜粋