マルサンアイは11月17日、愛知県岡崎市の本社みそ工場の閉鎖と同工場でのみそ生産を終了することを発表した。工場は2025年3月に閉鎖する予定。
本社みそ工場の閉鎖に伴い、同工場で生産している商品のほとんどを終売し、一部商品の生産を子会社の玉井味噌へ、海外専用品は関連会社の海寧市裕豊醸造へ移管する。フラッグシップ商品の「味の饗宴」、主力の「純正こうじみそ」などは原料を国産化して継続する方向。同工場で生産するそのほかの生みそ(業務用を含む)は2025年3月に終売。即席みそ、調理みそ、液状みそは2024年9月に終売する予定。
マルサンアイグループは、「長期GoPW 経営計画」において事業内構造改革を掲げており、生産拠点の移管・集約による効率化と新たな価値創造により事業価値向上に努めている。同社は昨今の原材料費、資材、エネルギー等の高騰により生産コストが上昇するなか、企業努力でコスト吸収を図ってきた。しかし、市場環境の変化により、本社みそ工場の大量生産のための設備では、市場競争力の改善が困難な状況になったとする。
また、本社みそ工場は建設から50年以上が経過し、品質維持のための設備改修費用が増大していた。建屋の老朽化も進み、労働安全の課題やBCP(事業継続計画)の観点からも継続が困難と判断した。
閉鎖する本社みそ工場の生産規模は約1万6000tで、玉井味噌の工場はその約10分の1だという。みその価値創造に向けて、まずは100%国産化を進める。なお、マルサンアイの前期(23年9月期)売上高は309億5000万円。構成比は主力の豆乳飲料事業が78.9%、みそ事業は13.9%。今期の連結業績に与える影響は軽微としている。