営業マン
青木 宏樹 (あおき・ひろき)
高校を卒業してすぐに建築業界に就職。 会社員時代は、忙しい仕事の合間に休みを返上して「宅地建物取引士」と「建築士」の資格を取得。自己啓発の本を読み漁り実践を繰り返していたおかげもあり、会社員時代の27歳の時はすでに年収750万円。人並み以上の生活をしていた。それでも自分の思い描く生活はできないと考え、友人のツテもあって一度飲食店経営の手伝いを経験。夢にまで見た起業に憧れ、奮闘した。しかし、朝9時~深夜3時まで1日18時間、毎日休みなく過酷な肉体労働を強いられ、時給300円以下の低賃金で、精神的にも肉体的にも苦痛を受け挫折。そこでもう一度成功をつかもうと一人で別事業に取り組み、見事3カ月で実績を上げる。自身の会社も1期目は年商4200万円、2期目は年商5億円を達成。現在では3社の経営者として活動中。不動産や投資信託などの投資家としても活動中。自身の起業の経験を活かし、主にサラリーマン層に向けて収入アップの方法やコミュニケーションスキルのノウハウを発信している。

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鉄人の成功の秘訣は「我慢」だった

最近、テレビで見かけたすごい鉄人の話をみなさんにも紹介したいと思います。

86歳の男性、まあ言ってみれば「おじいちゃん」ですが、なんとアイアンマンレースの世界記録保持者(当時)なんです。アイアンマンレースというのは、3・8㎞のスイム、180㎞のバイク、42・195㎞のランの合計226㎞のレースのタイムを競うもので、世界一過酷な競技だと言われています。

そのおじいちゃんアイアンマンがテレビ番組のゲストに出ていて、他のゲストの芸能人の方たちと肺活量勝負をしていたんです。透明な桶に水を入れて、そこに顔をつけて息を止める。その時間の長さを競うわけです。そのとき、一人のゲストが「長く息を止めるためのコツはありますか?」と聞きました。それに対するおじいちゃんアイアンマンの答えに、テレビの前の僕は思わずうなりました。彼はこう答えたんです。

「我慢です」

どうですか、この答え。まっすぐに僕の胸に飛び込んできて、刺さりました。英語で言うなら「cool!」って感じでしょう。超カッコイイ、と僕は思いました。

大事なことが、その一言に込められている。

今の時代は「根性」なんていう言葉はどちらかというとマイナスイメージで、恥ずかしいとか、時代遅れだとかいう印象ですが、結局、ものごとを成し遂げる際に大切なのは根性論に基づく我慢なんだと、僕は思っています。

今は親からも先生からも「無理しなくていいよ」「無理しちゃダメだよ」と言われて育ってきている人が圧倒的に多いから、「大事なのは我慢です」なんて言っても、「そう言われても、キツイから我慢できません」という反応が返ってくる。

もちろん、しなくていい我慢というのはあります。する必要のない我慢もある。ただ一方で、「ここは我慢のしどころだ」というポイントも絶対にあるはずです。「我慢」は体にも心にもよくないから、と、一切の我慢を否定するという風潮に僕は大きな疑問を感じています。

我慢を一切否定している人というのは、つまり、コツコツ努力できない人です。結果を出すまでの道を、いつでもショートカットしようと考える人だと思います。ショートカットが悪いと言っているのではありません。近道があるならわざわざ時間も労力もかかる遠回りをする必要はありません。基本的には、そうです。

ただ、時間と労力を積み重ねないと、絶対にたどり着けないゴールというのも世の中にはあって、近道しか選びたくないと思っている人は、永遠にそこにはたどり着けません。   僕が「近道派」の人に対していつも思うのは、もうちょっと長い目で人生を考えようよ、ということです。たとえば、1年後の自分はどう変わっていたいのか。今よりもどうなっていたいのか。自分のどこをどう成長させたいのか。

そして、そのためにはどんな努力が必要なのかということです。

筋トレだって、いきなり30キロのバーベルを持ち上げることはできないでしょう。でも、1年後に持ち上げたいと望むなら、最初は10キロくらいから始めて、筋肉を鍛えて、姿勢も整えて、少しずつ目標に向かって進んでいくしかありません。その道中は、きっと我慢の連続です。でも、だからこそ1年後に「こんなに軽々と持ち上げられる!」という喜びを得られるのです。

鉄人だって、最高の成果を出すためには「我慢」している。僕たちが我慢から逃げ回っているのは、恥ずかしいことだと思いませんか。