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「声」が大事
アナウンサーは声が命……というような言葉があったようななかったような。
ともあれ、営業マンにとっても声はかなり大きな武器となります。もともとの地声に自信がない人は、そんなふうに言われるとがっかりしてしまうかもしれませんが、僕の言うところの「声」というのは、滑舌や話し方、スピード、強弱や高低なども含めた「声」のことです。
世の中には「あの人の声を聞くだけで、何だか元気になる」というような人っていますよね。男性にもいますし、女性にもいます。年齢はそんなには関係ないように思います。
そういう声を注意深く聞いてみると、声に力があるのを感じます。堂々としている。明るい。楽しそう。そういう声が営業の現場でお客様にいい影響を与えるのは間違いありません。
そんなわけで、僕は、「声」についての勉強を以前からずっと続けています。
つい最近も、テレビのニュースキャスターの方が講師を務める「話し方」セミナーに参加してきました。そこで教わったことを、みなさんと共有したいと思います。
まず、やはり「土台」のトレーニングが重要だということです。
話し方の土台というのは、発声のことです。発声練習は継続したほうがよさそうです。「ア・エ・イ・ウ・エ・オ・ア・オ」とア行から順に大きな声で発声する練習ですね。営業所などで、朝礼に組み込んでもいいかもしれません。
次に、TPOによって声の「高さ」を変えるということを教わりました。
これは、たとえば2人っきりで対面の場合、あるいは会議室での会議のような多くても6~8人くらいの場合、そして30人以上のセミナーなど壇上で話す場合でそれぞれ声の高さを変えるということです。
音階で「ミ」と「ファ」と「ソ」がありますね。もし近くに楽器があったら、こ の3つの音を鳴らしてみてください。
「ミ」は、対面のときの声の高さ。このくらいが「あなたに向かって話しています」ということを最も表してくれる高さだそうです。
「ファ」は、会議室での声の高さ。2人のときよりは、少し音階のレベルを上げる。
「ソ」は、セミナーでの声の高さ。ちょっと高めの声で、遠くに飛ばす感じで話します。
もちろんこういうことを知らなくても、誰でも無意識に声の高さや大きさを状況に応じて調整しています。だけど、知識として知っておくことで、自信をもって話せるようになるという大きな利点があります。それがプロに学ぶことの大きな意義だと思います。
声のトレーニング方法も習ってきたので、こちらもみんなにシェアします。用意するものは割りばしを2膳。割らずに使ってください。
① 割りばしを縦にして、太いほうを左右の奥歯それぞれで噛みしめる。そのままの状態で(噛んだまま)「あ―――」と、声を出します。喉の震えが感じられると思います。喉のストレッチになります。
② 次は滑舌をよくするトレーニングです。①と同じように割りばしを左右両方の奥歯で噛みしめながら、「ア・エ・イ・ウ・エ・オ・ア・オ」とア行から順に発声練習をします。2分間くらい続けて、割りばしを外してください。これは、舌のトレーニングです。外した後にしゃべってみると、驚くほど滑舌がよくなっているはずです。
トレーニングはこの2つで充分です。できれば営業に出かける前の毎日の習慣にしてください。
さらに「声・話し方」関連でもうひとつ、これは僕の経験からお伝えしたいのですが、話すときの語尾にも注意してみてください。
もう十数年前になるでしょうか、若い女の子を中心に「語尾上げ」の喋り方が増えていて聞き苦しいと騒がれたことがありました。
語尾上げ言葉、みなさんも思い浮かびますよね。疑問文ではないのに、普通の文章の語尾を上げる喋り方です。
例)「今日のお昼、何食べたい?」(これは普通の疑問文です)
「うーん。焼きそば↑(と、語尾が上がる)」
いまではことさらに語尾上げ言葉がどうこうという意見も聞かれなくなりましたが、ビジネスシーンでは、これは絶対にNGです。語尾上げの喋り方は、非常に子供っぽく(言葉を選ばずに言えば、バカっぽく)聞こえます。幼稚なイメージ。仕事場ではマイナスでしかありません。語尾は、必ず下げて話すようにしてください。これも、意識するのとしないのとでは大きな違いです。
ここまで読んで、「あれ? 自分の話し方ってどうだったっけ?」と思った人は、一度スマホなどで動画撮影してみるといいと思います。これは、先に言っておきますが、とても恥ずかしいです。自分の声も話し方も動く姿も、改めて見せられると、「うっそー」となります。だけど、だからこそ、目をふさがないで、しっかり見つめる。声と話し方のレベルを上げれば、必ず営業成績もそれに伴ってアップします。