2022年3月30日、羽田空港で保税アートオークション「Shinwa Auction× LARASATI Auctioneers × iART auction ×KUANGSHI × A|A|A|A × ISE COLLECTION」が開催。本オークションは、United Asian Auctioneersのアライアンスの枠組みのもと、日本のシンワオークションの主導により、海外の複数オークションハウスが参画して実現した。
今回、ANDARTでも取り扱うアンディ・ウォーホルの作品《Liz》と同じ被写体であるエリザベス・テイラーの作品が国内最高額を記録し話題を呼んでいる。そんな注目のオークションから、落札価格TOP5の作品とANDART関連アーティストの落札情報を紹介。落札価格は手数料、消費税込みで計算。
5）石田徹也《無題》
落札価格：約6,777万円
石田徹也は1973年静岡県生まれの画家。代表作のひとつに《飛べなくなった人》（1996）が挙げられる。ビニール袋や便器など、日常生活で使用されるモノと青年の身体が一体になった独特の作風で制作し、現代の日本で生きる人たちの不安や孤独などを表現した。2005年に31歳の若さで死去。死後はたびたび回顧展が開催され、2019年にはスペインでの個展で来場者数31万人を動員した。（予想落札価格：約3,500万円〜6,000万円）
4）草間彌生《かぼちゃ》
落札価格：約8,553万円
93歳になった今も活動を続ける世界的日本人アーティスト、草間彌生。今回TOP5にランクインしたのは、赤と黒でかぼちゃを描いた1996年のキャンバス作品。22×27.3cmと小さいサイズながら、ここまで高額で落札されるのは、草間彌生がいかに美術界で重要な人物かを表しているともいえるだろう。（予想落札価格：約3,500万円〜6,000万円）
ANDARTでは、赤と白でかぼちゃを描いたシルクスクリーン作品《赤色かぼちゃ》を取り扱い中。
３）ポール・デルヴォー《灰色の都市》
落札価格：約1億3,437万円
ポール・デルヴォー（1897-1994）はベルギー生まれ。サルバドール・ダリらと並ぶシュルレアリスムを代表する画家。裸婦や夜汽車、骸骨、神殿などのモチーフが繰り返し登場し、幻想的かつ神秘的な世界を描いた。高い描写力で描かれた細部も作品の見どころである。（予想落札価格：約1億2,000万円〜2億円）
2）山口長男《五つの線》
落札価格：約1億6,212万円
山口長男は1902年現在の韓国・ソウル生まれの画家。19歳で来日し、東京藝術大学（現）で西洋画を学んだ後、フランスへ渡る。色やデザインをミニマルにした作風で、戦後日本の抽象絵画のシーンをリードした先駆者とも呼ばれている。今回落札されたのは、1955年「サンパウロ・ビエンナーレ」展やその他個展でも展示された作品。（予想落札価格：約7,000万円〜約1億2,000万円）
1）アンディ・ウォーホル《Silver Liz（Ferus Type)》
落札価格：約25億5,417万円
ポップアートの代表的作家、アンディ・ウォーホル。有名人を被写体に制作したシリーズから、女優のエリザベス・テイラーのキャンバス作品が国内オークションで最高額を記録した。1963年に制作した「シルバー・リズ」はエリザベス・テイラーのポートレートシリーズの集大成とも呼ばれており、本作の他にもディプティク（二連）の形になった作品も存在する。「シルバー」はハリウッドの「銀幕」を表す。（予想落札価格：約23億円～34億5,000万円）
ANDARTでも、ウォーホルのエリザベス・テイラーを被写体に制作したオフセットリトグラフの作品《Liz》を取り扱い中。
【ANDART取り扱いアーティスト落札情報】
ロッカクアヤコ《Work》
落札価格：約1,874万円
千葉県出身、日本の現代アートの代表格であるロッカクアヤコ。ロッカクアヤコの作品の特徴である大きな瞳をした少女がアクリル絵の具で段ボールに描かれた作品。ロッカクアヤコの作品の多くは「無題」のものが多いのだが、本作につけられたタイトルは「Work」。日本語で「仕事」という意味から絵を見てみると、見る人によって違うストーリーが肉付けされるのも面白いところだ。(予想落札価格：約300万円〜500万円)
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文：ANDART編集部
