財務省貿易統計によると、2021年1〜12月の日本産酒類の輸出数量は前年比34.0%増の15万2,718kl、金額は61.4%増の1,146億6,762万円となった。
コロナ禍によるコンテナ不足や物流の停滞など心配する声もあったが、前年の実績から大きく伸長。特に金額の伸び率が数量の伸び率を上回っており、海外市場において清酒、ウイスキーを中心に高級酒需要が高まっていることがわかる。
主要品目ごとに実績を見ていくと、数量では最大のビールは数量19.1%増、金額27.5%。
管轄省庁である国税庁に加えて、農林水産省も輸出を支援している清酒は数量47.3%増、金額66.4%増。9月の時点で2020年の金額(241億円)を突破しており、12年連続で輸出金額最高額を記録した。
ウイスキーは数量36.0%増、金額70.2%増で、金額は2021年に引き続き全酒類中最大の約462億円。また、数量と金額の伸び率が最も乖離したカテゴリーでもある。
ジン及びジュネヴァは数量・金額ともに70%程度の増加。他の酒類に比べると小規模だが、メーカーの取組などが実を結び、主要な酒類の中では数量・金額どちらも伸び率はトップ。
リキュールおよびコーディアルはいずれも40%程度の増加となった。
しょうちゅうは数量54.9%増、金額45.4%増で、主要な酒類の中では唯一数量の伸び率が金額の伸び率を上回った。