2022年1月11日〜21日、クリスティーズ（香港）がオンラインオークション「20th/21st Century Art Online Sale」を開催。近代美術から現代にわたって、アジア人アーティストの作品を中心に出品された。その中から、落札価格TOP5の作品とANDARTに関連するアーティストの落札情報をピックアップして紹介。落札価格は1HKD＝14.6円（1月21日）で計算、手数料込み。
5）シャラ・ヒューズ《HERE AND THERE》
落札価格：約2,373万円（HKD 1,625,000）
シャラ・ヒューズは1981年アメリカ・ジョージア州生まれ、現在はニューヨークを拠点に活動している。ホイットニー美術館やメトロポリタン美術館などに作品がコレクションされ、2017年にはホイットニー・ビエンナーレに参加するなど安定した人気を集めている。川や丘、木々などを鮮やかな色彩で描く風景画や複雑に構成された室内のシーンを多く制作している。本作も平面でありながら歪んだ立体感を感じさせ、独特な雰囲気が魅力的な作品だ。（予想落札価格：約730〜1,168万円/HKD 500,000〜800,000）
4）ハビア・カジェハ《After the Rain》
落札価格：約3,103万円（HKD 2,125,000）
1971年スペイン出身のアーティスト、ハビア・カジェハ。大きな目がトレードマークの人物をメインに日常の出来事にちょっとした仕掛けを加えて、見る人に驚きとユーモアを与えている。日本でも何度か個展を開いており、2020年11月には、NANZUKA 2Gで個展「NO ART HERE」を開催した。（予想落札価格：約1,022〜2,190万円/HKD 700,000〜1,500,000）
3）リチャード・リン《Painting Relief 20.5.1963》
落札価格：約3,285万円（HKD 2,250,000）
リチャード・リン（1933-2011）は台湾生まれの画家・デザイナー。キャリア初期は「リン・ショウ・ユー」を名乗って活動していたが、1959年に初めて開催したロンドンでの個展からは、リチャード・リンとして知られている。ロンドンで建築と美術を学んでいたリンの作品は、ミニマルな構成で成り立ち、プラスチックや金属を使っているところが特徴である。（予想落札価格：約2,190〜4,380万円/HKD 1,500,000〜3,000,000）
2）草間彌生《生命の増殖》
落札価格：約4,015万円（HKD 2,750,000）
日本を代表するアーティスト・草間彌生による《生命の増殖》（英語では「Proliferation of Life」）は草間彌生を象徴する網目模様で描かれた作品。細い緑の網目模様の上に走る、少し太めの網目模様に描かれた無数の赤の水玉がまるで身体の中を巡る血管・血液を思わせる。作品画像と詳細はこちらから。（予想落札価格：約1,314〜1,752万円/HKD 900,000〜1,200,000）
1）奈良美智《Lone Star》
落札価格：約5,475万円（HKD 3,750,000）
奈良美智の代表的なモチーフである鋭い目をした少女を描いた作品が今回のオークションのトップとなった。奈良美智は一般的なノートの紙や段ボールに描いたドローイングの作品を多く制作している。本作は、厚紙の下に段ボールを敷いて少女の部分にだけ波模様が出るように描かれていることが分かる（作品の画像と詳細はこちらから）。横浜美術館を皮切りに巡回した2012年の個展「君や 僕に ちょっと似ている」でも展示された作品。（予想落札価格：約2,628〜4,088万円/HKD 1,800,000〜2,800,000）
【ANDART関連アーティスト落札情報】
ロッカクアヤコ《Untitled》
落札価格：1,460万円（HKD 1,000,000）
段ボールに絵を描くアーティストといえば、ロッカクアヤコもその代表的な一人。筆などは使用せず、アクリル絵の具を素手で段ボールやキャンバスに直接塗るスタイルは、ロッカクアヤコの独自性を強めている。（予想落札価格：約146〜292万円/HKD 100,000〜200,000）
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文：ANDART編集部
