「から揚げの天才」100店舗達成記念セレモニー(左=テリー伊藤さん、右=ワタミ渡邉美樹会長)
(画像=「から揚げの天才」100店舗達成記念セレモニー(左=テリー伊藤さん、右=ワタミ渡邉美樹会長))

ワタミは7月8日、から揚げとテリー伊藤さんこだわりの玉子焼きを販売する「から揚げの天才」の100店舗達成を記念し、同社の渡邉美樹会長兼グループCEOとタレントのテリー伊藤さんはセレモニーを開催した。1号店オープンから2年7ヶ月での100店舗出店は、日本の外食チェーンで最短だという。

セレモニーで渡邉会長は、初期投資額を抑えて出店できる「380万円出店モデル」投入のほか、から揚げ戦争への一手として「唐揚げメニューの拡充」、中国進出を発表。また、7月12日に発出が見込まれる4度目の緊急事態宣言に対してコメントした。

「から揚げの天才」は、テリー伊藤さんがある居酒屋のから揚げを食べて感動し、「この味を日本中に広めたい」と思ったのがきっかけ。1年間の修行を経て作り上げたから揚げに、実家が玉子焼き屋であることから、こだわりの玉子焼きをあわせて販売する業態だ。看板商品「デカから」は、1個60g税込106円として、値ごろ感と大きさを強調。玉子焼きは1本ずつ店舗で焼き上げている。

立ち上げ当初からFC(フランチャイズ)展開を視野に入れ、10坪程度の小規模な物件でも出店できるといった低投資での開業、簡単なオペレーションでの運営モデルを構築。コロナ禍の外食企業や個人店からの業態転換ニーズにも応えており、100店舗のうち約60店舗がコロナの影響を受けた居酒屋オーナーだという。

〈さらに初期投資額を抑えた「380万円出店モデル」を開発〉
「から揚げの天才」はこれまでも、駐車場などの空きスペースに、コンテナ型の店舗を出店することで初期投資額を抑えた「999万円出店モデル」を展開してきた。今回、長引くコロナの影響で「999万でもきつい」との声を受け、リースによってさらに低投資で出店できる「380万円出店モデル」を開発。1コンテナ1年で380万を完全回収できるという。

渡邉会長は今後の出店について、「200店舗、300店舗も最短で達成できるよう頑張っていきたい」と意気込んだ。

「から揚げの天才」380万円出店モデルのイメージ
(画像=「から揚げの天才」380万円出店モデルのイメージ)

〈唐揚げの種類を2倍に拡充〉
「から揚げの天才」は8月1日から、「デカから」のレギュラーメニューを既存の3種類から6種類に拡充するとともに、季節限定メニューも1品増やした2品で展開、常時8種類を取り揃えることとなる。これは店舗オペレーションが複雑になるのを避けるうえで限界の数だという。

渡邉会長は唐揚げメニュー拡充の狙いについて、「唐揚げの天才は、週に約1回のペースで来店されるコアなお客様に支えられている。年間20種類の唐揚げを提供することで、飽きさせないようにしたい」とした。

〈「から揚げの天才」が中国に初進出〉
ワタミは中国事業において、コロナ下の早期に、居酒屋業態「和民」の全店舗を撤退した。現在、ワクチン接種が進んで経済が戻っていることから、「から揚げの天才」で中国再進出を図る。中国出店のパートナーとなったのは、上海料理店「上海小南国」などの複数業態を展開する大手外食企業「国際天食集団」。渡邉会長によると、2021年内を目安に焼き肉業態の出店も予定しているという。

〈政府による4回目の緊急事態宣言発令への方針について〉
なお、ワタミは7月8日、居酒屋業態における今後の休業店舗数が全国104店舗を見込むと発表した。渡邉会長は、「緊急事態宣言が発出されると、期間中にプラスで4億円の赤字が出る。しかし、これはそうすべきで我々も制限を受けるべき。ただ、やるからにはロックダウンに近い形で人流を抑えてほしい。飲食やアルコール提供だけが犠牲になるのでは、いつまでたってもこの状況は終わらない」などと語った。