カゴメと、プラントベースドフード(PBF)ブランド「2foods(トゥーフーズ)」を展開するスタートアップ企業のTWO(東京都渋谷区)は業務提携契約をこのほど締結した。PBF市場において両社が協調して、製品・サービスの企画開発や内食・中食・外食ユーザーへの商品提案、販売チャネル拡充などを通じて、健康志向や環境意識が高い消費者層の需要を取り込み、成長を図ることが目的だ。
カゴメは「野菜をとろう」キャンペーンを展開する中で近年、大豆ミートを使用したパスタソースやカレー、動物性原料を配合していない「野菜だし調味料」、果実・野菜・大豆ミックス飲料「Soy+」を発売すると共に、3月には不二製油グループ本社など14社と共同で、任意団体「プラントベースドライフスタイルラボ」を設立し、PBFの認知向上や普及活動に取り組んでいる。
TWOは、おいしさと健やかさを併せ持つヘルシージャンクフードをコンセプトにした「2foods」ブランドを今年から展開している。4月15日にはPBFメニューやドリンク、デザートを提供する渋谷ロフト店など都内3店舗と、オンラインショップをオープン、今後も精力的に出店を計画している。
〈カゴメ山口社長「PBFは世界トレンド、認知・魅力を広げていく」〉 カゴメの山口聡社長は、14日都内で開かれた「2foods」事業戦略発表会に出席し、今回の業務提携について「当社は創業以来、野菜や果物のおいしさや価値を生かした商品作りを行っているが、最近では植物性素材に着目しており、この領域で商品を広げていきたいと考えている。新領域での展開にあたり、当社ではオープンイノベーションの形で、社外の方々と連携して進めていく考え方を大事にしている」と前置いた。
その上で、「TWOとの提携で一番魅力的に映ったのは、おいしさとヘルシー、この2つをしっかり両立していること。メニューの企画力、レシピを作り出す力があると感じた。また、お客様に直接PBFの魅力を伝えることができる、リアルの店舗を持っていることも魅力だ。PBFは世界的なトレンドであり、国内外で成長していく市場と思っているが、まだまだ認知度は低い。業務提携を通じてその魅力を広げていきたい」との見解を示した。
TWOの東義和CEOは「『2foods』は野心的なプロジェクトだ。多角的な事業展開により、できるだけ早く規模を拡大したいと考えているが、自社だけで出来ることには限りがある。その中で長い歴史やノウハウ、経営資産で魅力的と感じたカゴメと提携し、PBF市場を一緒に盛り上げていきたい」と述べた。
〈大豆油糧日報2021年4月16日付〉