体感して納得、身体と呼吸の親和性を追及して実践した人へ感動を提供する
たーきーこと奥山貴成(おくやまたかあき)さんは、プロのダンサーとして活躍された後にトレーナーへ転職。現在は、真呼吸トレーナーとして、ヨガのインストラクターや理学療法士の方に身体の動かし方を教える活動に取り組まれています。ダンサーからトレーナーへなった経緯や今後の展望についてお話しいただきました。

大好きなダンスをけがで断念したときに芽生えた、うまく身体を動かしたいという気持ち

体感して納得、身体と呼吸の親和性を追及して実践した人へ感動を提供する

もともとは中学校の剣道部で部長をしていましたが、急にダンスをやろうと決めてダンスを始めました。その後はダンスに目覚めて、高校や専門学校もダンスを中心に進学しました。進学する中で、一人で黙々と練習していたところから大人数でダンスをすることになりましたのですが、そのときにみんなと合わせるより自分の個性を生かした方向性のほうが向いていると感じたんです。そこで自分のダンスを探求していった結果、身体に無理がたたって、けがをしてしまいました。

腰や膝が痛いので、もっと動けるようになるには筋トレやストレッチをすれば良いと単純に考えてしまい、その結果逆に身体が重く感じたり、動けなくなってきたりして、ダンスを辞めることになってしまいました。

ずっとダンスだけをしてきたため、そのときには人脈もなく何をしたら良いのかもわからない状態で、もっと動けるようになれたら良いのに、という気持ちだけが残りました。

そして、もっと要領良く生きられたら良いのに、もっと周りの人と同じようにダンスができれば良いのに、と次第に思うようになっていました。

さまざまな経験や知識がすべて今の自分の糧になる

体感して納得、身体と呼吸の親和性を追及して実践した人へ感動を提供する

その後の道のりは学びばかりでした。トレーニングジムに勤め始めて感じたのは、トレーニングジムは身体を動かしやすくする場所ではないんだなということでした。トレーニングのやりすぎで腰を痛め、その治療のために整体や治療を受けているのを見て本末転倒だと感じたんです。そこから、トレーニングとは何なのか、どうやったら健康になれるのかと考え始めました。

その後は整体院にも勤めました。整体は身体のメンテナンスの意味はありますが、自分は身体を壊す前にアプローチできることに関わりたいと考えるようになりました。

また仕事を変え、今度は介護士になりました。そんなときに、柔道10段の達人、「三船久蔵さん」の動画を観る機会がありました。当時60〜70歳くらいの三船さんの動画で、若い男性を軽々持ち上げたり投げ飛ばしたりする様子をみて、こんなおじいちゃんになりたいと思うようになりました。

介護士として働く中で、年を重ねていくとこんなにも動けなくなるんだということを目の当たりにして、この違いはどこにあるんだろう、自分はどう生きていきたいのだろうかと考えるようになりました。

自分の軸を決めるために、古武術や整体、治療技術などを学びました。ヴィパッサナー瞑想を10日間ケータイの使用も禁止、会話も禁止の中で集中して行うことで、自分の呼吸と向き合い感覚を研ぎ澄ます経験をして、人は身体を動かしたい方向があること、身体の動かし方によって呼吸が浅くなったり深くなったりすることがあることに気が付きました。

より多くの人に体感してもらいたい、自分の身体の流れに身を任せるトレーニング

体感して納得、身体と呼吸の親和性を追及して実践した人へ感動を提供する

現在は、ヨガのインストラクターや理学療法士などの方々に、身体の動かし方を体感してもらいつつ、身体のつながりや運動性の深さなどを伝えてお客様や患者にも再現性をもって伝えられるような取り組みをしています。これは、言葉にすることはできますが、体感していただくことが一番わかっていただけると思います。

たとえば、ヨガの太陽礼拝は有名ですが、本来ヨガをつくりだした先人たちはただ単にポーズの型を覚えて実践するのではなく、太陽礼拝を通して身体のつながりや感覚を後世に伝えていきたいと思い継承しています。身体の快適さを感じるためのものが、ただのまねになってしまいがちだなと感じています。

今後自分がチャレンジしていきたいと思っていることは、お伝えしている身体の動かし方や呼吸と身体の連動性などを、世の中の常識、スタンダードにすることです。

熟練した理学療法士やアスリートが、自分がお伝えしている運動を実践して体感し、呼吸や身体の動かし方に感動してもらえることがうれしいです。だからこそ、その体感をより多くの人に知っていただいて、人間の身体は年を取ったら動かなくなるもの、弱っていくものだ、という常識を覆していきたいと思っています。


スタンダードCollaboratorの方は、ご自身のコラムを無料で寄稿できます。
ご要望の際は下記よりお問い合わせください。
https://waccel.com/collaboratormerit/