株式会社NTTドコモは、6G時代を見据え、デジタルツイン技術を用いて都市部の通信性能をリアルタイムに評価・可視化する実証実験(デジタルトライアル)を国内で初めて実施し、成功を発表した。
実証実験は、日本電信電話株式会社(NTT)、エリクソンと共同で進める6Gに向けた取り組みの一環として実施され、具体的には、エリクソンが開発したデジタルツイン技術を用いて、スウェーデンの街並みを仮想空間上に再現。この仮想空間上で携帯端末を持ったアバターを動かし、基地局との間の電波伝搬チャネルをリアルタイムに計算することで、通信速度などの無線性能を評価・可視化した。
従来の通信性能評価は、現実空間で実際に測定を行う必要があったなか、デジタルツイン技術を活用することで、場所や時間に制約されることなく、仮想空間上で様々な条件下での通信性能を評価することが可能になる。
今回の実証実験にて、デジタルツイン技術を用いることで、仮想空間上での通信性能評価が可能であることを確認し、今後はこの技術をさらに発展させることで、6G時代の膨大なデータニーズに対応する最適な通信品質の提供を目指すとしている。
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実証実験概要
エリクソンが開発したデジタルツイン技術を活用して、スウェーデンの街並みを仮想空間上に再現。
端末を所有しているアバターが街なかを移動し、サブテラヘルツ帯のカバレッジ性能を測定することで、通信速度などの無線性能を評価・可視化する。
ドコモの今後の取り組み
ドコモは、2022年6月から国内外の主要ベンダー、海外オペレーターと協力し、6Gの実現に向けた実証実験を進めており、今後もパートナーを拡大し、6Gの標準化や実用化に貢献するとのこと。
また、今回の実証実験の成果の一部は、2024年11月25日から29日に開催される「NTT R&D FORUM 2024 ―IOWN INTEGRAL」で展示予定となっている。