みずほ銀行は、9月30日から、「今年やろうを応援キャンペーン」を実施している。今回、今年やろうと決意したことに挑戦する人々を応援するみずほ銀行として、一人ひとりのやりたい気持ちに再び火をつけることを目的に、全国約2万人を対象にした年内のやりのこしに関する調査から選定した「今年中にやるぞ大賞 2024」を発表した。
今回の大賞では、マーケティングアナリストの原田曜平氏、生物学者の池田清彦氏、エコノミストの対木さおり氏を特別選定委員として迎え、全国2万人を対象に集計した調査結果から、公正な選定過程の元、多くの人が共感し今年中にアクションを起こす決意表明を「今年中にやるぞ大賞 2024」として選定している。今年中にやりたいことに対する決意を計8部門に分けて選出したほか、各世代別のやりのこし傾向や、やりのこしに関するモチベーションの要因の分析、さらには世代別で感じているやりのこしのランキングも発表された。
では、「今年中にやるぞ大賞 2024」に選定された決意表明を部門別に見ていこう。「みんなで応援部門」で大賞に選ばれた決意表明は、「前まで好きだった人に振られた。孤独感が強くなった。大学生として最後の年だし、将来、結婚できるのか不安なので、ここで彼女を作っておきたい」(20代 男性)。特別選定委員の池田氏は、「結婚は、他人だった人と家庭を築くということなので、勇気が必要。最近結婚しない人が徐々に増えてきたのは、経済的な問題もさることながら、結婚に踏み出す勇気がない人が増えたからだと思う。結婚で一番大事なのはフェロモンの相性であるので、会ってみなければわからない。データに惑わされずに、対面で気に入った人がいたら、是非アタックしてほしい。そういう勇気のある人を応援したい」とコメントしている。
「チャレンジャー部門」では、「本が好きなので、大学時代にとらなかった司書の資格にチャレンジしたい。本と人間との関わりから、いろんなつながりができれば素敵だと思う」(40代 女性)が大賞に選ばれた。特別選定委員の原田氏は、「人生100年時代といわれるなか、中年期になったらこれまでのキャリアや経験や考え方を勇気を持って一旦リセットし、人生二毛作と捉え直し、昔好きだったことなども思い出しながら新たなチャレンジに取り組むことは、人口の多いすべての中高年にとって参考事例となるのではないか」と述べている。
「家族想い部門」で選定された決意表明は、「遠方に住む両親がもう高齢で介護度も高い。最近の災害の多さも不安なので、今年中に会っておきたい」(60代 女性)。池田氏は、「自分のことを我がことのように心配してくれたのは両親。若い時は両親に反抗して子どもは成長していくが、自分も歳を取ってくると、親の気持ちがわかってきて、感謝の念が湧いてくるもの。『親孝行したいときには親はなし』にならないためにも、時間が許す限り、両親を訪ねてお喋りをしてほしい。それが一番の親孝行である」としている。
「リスキリング部門」の大賞は、「職について再度考えている。定年延長で、過去の仕事を続けているが、給料は激減。何か自分がやりたかったことに繋がる職を探している」(60代 男性)。原田氏は、「私の大学にも社会人や退職された人が来られるようになったが、今後は『副業』や『40代を超えての転職』(マイナビの調査では2023年に転職した人のうち50代が占める割合が22.5%、50代が11.4%で合計すると33.9%)は当たり前になるだろう。給料激減の怨念をプラスに変え、副業や転職に向けてリスキリングしてほしいと思う」と述べている。
「推し活部門」の大賞に選ばれたのは、「推しのイベントに参加してみたい」(60代 男性)という決意表明。原田氏は、「今のZ世代の多くには『推し』が存在する。『推し』というと昔の本気の『オタク活動』をイメージするかと思うが、多くはライトなオタク活動のことをいう。気軽に始められ、気軽に推しを変更できる。『60の手習い』という言葉があるが、気軽に始め同じ推しを持つ若者たちと接し、彼らの生き血を吸いながらエネルギッシュな人生を」とコメントしている。
「資産形成部門」では、「NISAについての勉強を本格的に始めて、証券口座を作りたい。貯蓄額をあと少しでも増やして目標額に到達させたい」(20代 女性)が大賞に選定された。特別選定委員の対木氏は、「将来の備えとして、資産運用の注目度が高まる中、特に20代と50代のNISA口座数は、今年に入り前年比で30%超の伸びを示している。決意表明した多くの人が退職や、結婚、家族の拡大など、ライフイベントを見据えて長期的な投資への意欲を高めている。大賞に選ばれた人も20代でNISAの勉強を本格的に始め、アクションを起こすことを目標としている。2022年からは高校で『資産形成』の内容が必修化されるなど、資産運用がより身近な話題になっている様子がうかがえる」と述べている。
「自分磨き部門」で大賞に選ばれた決意表明は、「自分に似合うメイクや服がまだはっきりわかっていないので、パーソナルカラー・骨格診断に行くか、自分でメイクや服を買って似合うかどうか確かめていきたい」(20代 女性)。原田氏は、「企業がマーケティングに活用するために、パーソナルカラー診断やMBTI診断など様々な診断アプリやサイトが溢れ過ぎ、消費者が混乱する時代。若いうちは自分らしいメイクなどがまだ見つからない模索時期かと思う。また、診断に頼り過ぎることは『自分らしさ』を失うことにもつながる。悩みながら『本当の自分らしさ』を模索して欲しいと思う」としている。
「夢のため部門」の大賞は、「小説を少しずつ書いているので、それを完成させて賞に応募してみたい」(50代 女性)という決意表明。池田氏は、「創作活動は若い人の方が得意だと思われがちだが、小説のような人生経験がものをいう部門は、中年や、老年になってからでも、味わい深い作品を書くことが可能だ。多くの人に読んでもらえる小説を書くにはどうしたらよいかを考えて試行錯誤しながら実行するのは、認知症の予防にもなるし、何よりも自分にとってのワクワク感がある。老境になって暇を持て余さないためにも、創作活動に励むのは素晴らしいことだと思う」とコメントしている。
次に、今年「やり切りたいこと」を、各年代やライフステージごとにランキング分析した結果を見ると、それぞれにおいての意識の違いが浮き彫りとなった。Z世代では、健康や自己研鑽、時間の有効活用への意識が高く、1位に「ダイエット」、これに続き「朝活」が2位に挙がった。また、将来の備えとして「ふるさと納税」や「転職活動」も上位に入り、生活の基盤作りにも注力していることがうかがえる。一方、シニア世代では1位に「不用品の処分」、3位に「洋服の処分」がランクインし、身の回りの整理に対しての関心が高い傾向にあった。健康維持に対する意識も高く、「健康診断」が2位にランクインしている。
大学・大学院の最終学年を対象に、学生最後のやりのこしを見てみると、20代同様「ダイエット」が1位となり、自己管理が重要なテーマのようだ。また、「海外旅行」「国内旅行」に対する関心が高く、学生最後の時間を活用した今しかできない経験への欲求も特徴的だった。子育て世帯を見てみると、「ダイエット」に加え「不用品の処分」が上位にあり、家庭生活の効率化や健康維持への意識が高い結果となった。さらに、「子どもと出かける」という子どもとの時間を大切にする行動や、「食費・外食費を抑える」など、家計管理への関心も反映されている。
今年中にやりたい理由としては、「やることで快適になると思う」、「今の自分を変えたい」といった前向きな理由が上位になった。取り組み状況としては、「結果が出ていないが、現在も取り組んでいる」という回答が多く見られ、結果も出ている人を含めると、「現在取り組んでいる」と答えた人の割合は60%を超えた。以上のことから、取り組む姿勢や動機に関して、多くの人が前向きな意識を持っていることがわかった。特に、快適さの向上や自己変革を求める気持ちが強く、行動に移している人も多いようだ。成果がまだ見えない段階でも継続して取り組む人が多いことから、忍耐強さや長期的な視点を持つことがやりのこしの解消において重要であると考えられる。
やりのこし解消に向けたモチベーションの要因について聞いてみると、「時間」が主な原因であることが明らかになった。また、モチベーションが下がる要因としては、「いつでもできる」といった、まだ大丈夫という油断がやりのこしの要因につながっていることがわかった。モチベーションが上がる要因については、「焦りを感じたら」という、期限が迫ることでやる気が上がる人も多い他、「人の協力があったら」と、自分一人ではなく、誰かの協力があることが、やる気につながるという回答も上位に上がった。
また、やり残しに対するモチベーションが上がる要因として「お金ができたら」という項目が挙げられ、経済的な余裕がやり残しに対する意欲を高める要素であることがわかった。自己実現や計画の実行のためには、安定した経済基盤を築くことも重要だと考えられる。
なお、みずほ銀行では、今年のやりのこし解消に挑む人々を金融面から後押しするため、新規口座開設や各種サービス利用開始など条件を達成した人に、合計で最大2万4000円の現金をプレゼントする「今年やろうを応援キャンペーン」を実施している。12月2日までに新規口座開設等をした人に5000円、さらにみずほ銀行の商品やサービスの利用等、各種条件を達成した人(すでにみずほ銀行で口座を持っている人も対象)には最大1万9000円、合計で最大2万4000円を現金でプレゼントするとのこと。
お金に関する「今年中にやりたいこと」を聞いたところ、1位は「ふるさと納税」。続いて、2位に「資産運用/資産形成/投資」、3位「NISA/新NISA」が選ばれた。節約に関しては「浪費を抑える/無駄遣いを減らす」、「食費・外食費を抑える/外食を減らす」など、日常的に発生する費用を抑える項目がランクインしている。この結果について対木氏は、「教育や老後資金の確保、早期退職“FIRE”など、様々な将来のライフプランを考え、ふるさと納税やNISAなどのお金の使い方の工夫を意識する傾向が強いようだ。また、日常では無駄遣いを減らし、長期的な視点から資産形成を始めたいと思っている人も多くいると考えられる」と解説してくれた。
今回の「今年中にやるぞ大賞 2024」および「やりのこしランキング」の結果から、各世代で様々な「やりのこし意識」が生まれていることが浮き彫りとなった。 池田氏は、その背景について、「やりのこし意識が生まれる理由は年代によって違う。まだ若い人は自分の趣味の追及や、将来の夢の実現のために、やるべきことがまだあるという想いから『やりのこし意識』が生じる。また、人間は社会性動物なので自分が属するコミュニティのために、やりのこしたことがあるのではないかという想いも生じる。特に、家庭を持つと、自分ばかりではなく、家族のことを配慮して、家族の幸せのために,やりのこしていることはないだろうかという意識が強くなる。『やりのこし意識』が多岐にわたって複雑になってくるからだ。しかし、歳を重ねて、子どもが自立したり、定年を迎えたりして、社会的しがらみから解放されると、自分のためにやりのこしたことが気になってきて、老後のために今何をするべきかという意識が強くなり、新しい体験に没頭したりする。また人生の儚さを身にしみて感じるようになり、年老いた父母が亡くなる前に親孝行しようという気持ちが湧いてくる」と説明している。
また、原田氏は、自己実現のトレンドについて、「昭和のように自己実現のモデルが少なかった時代(例えば、いい大学に入っていい会社に入る、家庭に入って専業主婦になるなどいくつかに限られていた)とは違い、今は自己実現のモデルが多様化しており、逆にいえば自分に合ったモデルを見つけ出すことが難しくなっている。一方、人生100年時代となり、自己実現を模索する時間も昔より延びたはず。よって、国民の多くが『今年中にやるぞ』を見つけられる時代になると良いと思う」との見解を示した。
[調査概要]
調査タイトル:「一年のやりのこし」に関するアンケート調査
調査対象:全国の男女(20代~60代)
調査期間:2024年8月30日(金)~9月2日(月)
調査方法:インターネットアンケート調査
サンプル数:2万サンプル(男女比1:1)
みずほ銀行=https://www.mizuhobank.co.jp/
今年やろうを応援キャンペーン=https://www.mizuhobank.co.jp/campaign/autumn2024cp/index.html