セブン-イレブン・ジャパンは7月4日、店舗の商品を配送するサービス「7NOW」で、新たに焼き立てピザ2品目の販売を開始すると発表した。7月4日時点では東京や神奈川などの約30店舗のみの展開だが、8月からは九州や北海道エリアを含む200店規模まで広げる。宅配と親和性の高い商品を通じて、「7NOW」の更なる利用拡大を目指す。
同社では「お店で焼いたピザ」2品目(マルゲリータと、照り焼きチキン)や、「お店で焼いたベーカリー」6品目を、一部店舗でテスト的に販売している。今年7月4日時点で、「お店で焼いたピザ」は約30店舗、「お店で焼いたベーカリー」は約840店舗のみの取り扱いとなっている。
今後提案を強める「お店で焼いたピザ」は、プライベートブランド「セブンプレミアムゴールド」で販売のピザ商品を開発した企業と共に手掛けたという。マルゲリータ(税込780円)と、照り焼きチキン(880円)の2品目を販売する。冷凍の状態で店舗に届けるため、店内のオーブンで焼き上げることで、できたての味わいを楽しめる。
〈配送サービス「7NOW」、即食性の高い商品が順調、デリバリーで魅力的な商品を展開〉
「7NOW」では備蓄性の高い商品に加え、即食性の高い商品の販売も順調に推移しているという。今年5月の売り上げ上位品目には、アメリカンドックやコロッケ、「ななチキ」、「からあげ棒」などの商品が並んでいる。今回、デリバリーでも販売する「焼き立てピザ」は即食性が高く、元々宅配とも相性の良い商品だ。フードデリバリー市場はコロナ禍に急増し、その後も堅調な推移を見せているという。デリバリーで魅力的な商品を販売することで、利用者の更なる拡大につなげるほか、冷凍食品や惣菜、ドリンクなどの販売点数の拡大にもつなげる。
7月4日に行われた会見で企画本部ラストワンマイル推進部の由井大輔マネジャーは「スマートフォンで買い物をする人は今後も増えるだろう。市場を見ながら店舗の更なる拡大や、より大きいサイズのピザの販売なども検討したい」と語った。
「7NOW」は専用アプリやWEBサイトから注文すると、近隣の店舗から商品が届くサービス。受付から自宅などへの配送を終えるまでに最短で20分で、商品数は、店舗にある食品や日用品などを届けるため、ほぼ同等の約3,000アイテムを購入できる。現在、サービスを利用できるのは関東圏や九州、北海道など1万2,000店舗。8月には関西や山口県などでも導入し、約1万6,000店まで広げるほか、年度内には全国展開を行うという。
23年度における売上は、22年度比で258.3%増、今年の3~5月では前年同期比で232.1%増となっている。店舗と比べて平均客単価は高く、店舗が752円なのに対し、「7NOW」は2,234円と3倍近い水準だ。買い上げ点数も、店舗は3.22点で、「7NOW」は8.57点と2.7倍もの差がある。
利用客層も店舗と異なっており、実店舗は40~50代の利用が多いのに対し、7NOWは20~40代が多くなっている。子育て世帯や共働き世帯からの利用が多くなっているという。利用シーンの38%は、家から出たくない、外出したくないなどの「タイパ志向」で、「体調不良」(25%)や「子育てなどで外出しづらい」(10%)の理由が寄せられている。