農業用管理システムの開発を手掛けるアスザック(株)(長野県高山村、久保正直社長)はこのほど、長野県農試と共同開発した栽培支援装置「クロップナビ」に小麦の赤かび病予察機能を搭載した。
すでに長野県内5か所で設置されており、県は6月3日、クロップナビのデータを基に赤かび病注意報を発令した。令和5年産小麦の一部に基準値超過のDONが発生し、今年も全国的に警戒が呼びかけられている中、同社は県内外でクロップナビの提案を進めていく考えだ。
クロップナビは農地に設置することで気象や土壌データを収集・分析し、病害虫の予察や生育予測ができる装置。通信機能を搭載すれば遠隔地からでもWEB上でデータ確認が可能なほか、取得したい情報に応じてセンサを追加するカスタマイズ機能も備えている。
アスザックと長野県農試は2007年、いもち病の予察用にクロップナビを開発。現在では稲作や野菜、果樹など様々な分野で活用されている。2015年には県農試が、赤かび病の発生予測プログラムを搭載。共同で実証実験を進め、このほど実用化に至った。
「クロップナビが赤かび病の発生しやすい好適条件日を観測しお知らせすることで、適正なタイミングで農薬を散布し防除対策をとることができる。それにより農薬の使用量を減らし金銭的・体力的負担を減らすとともに、収穫量の確保にも貢献する」(同社)。
クロップナビは▽購入価格44万2,200円▽レンタル料月5,000円~▽寸法=高さ250mm×幅220mm×奥行100mm(設置台使用時は950×330×380)。
〈米麦日報2024年6月28日付〉