住友電気工業、陸上ケーブルメーカーの独Südkabelを買収・90%の株式取得

住友電気工業株式会社(5802)は、Amprion社(ドイツ)から、525kV高圧直流(HVDC)XLPEケーブルプロジェクト「Korridor B V49」を受注、またAmprion社の連系線プロジェクト「Rhein Main Link」の一部のケーブル供給について優先交渉契約を締結した。

本契約に伴い、ドイツ国内に製造拠点を確保するため、陸上ケーブルメーカーSüdkabel GmbH(ドイツ・ヴュルテンベルク州、以下「Südkabel社」)の株式90%を取得し、2024年10月1日(予定)に子会社とする。

住友電気工業は、自動車、情報通信、エレクトロニクス、環境エネルギー、産業素材の5つの事業分野を世界約40カ国で展開している。

Amprion社は、ドイツ送電事業者4社の内の1社。北海からアルプスに至る域内で約11,000kmの超高圧送電網を保有。

Südkabel社は、高圧電力ケーブル・機器製造・施工、及び販売を行う。

目的

Korridor B V49とRhein Main Link(一部)の受注総額は30億ユーロ(約5,000億円)を超える大型プロジェクト。

Korridor B V49は、Wilhelmshavenと Hammを結ぶルート長約300㎞、Rhein Main Linkはルート長約650㎞のプロジェクトとなる予定。両案件ともに、北海の各種洋上風力電源から主需要地であるドイツ南部への送電を担い、完工時期は2033年予定である。

本プロジェクトに使われる525kV高圧直流(HVDC) XLPEケーブルは、全量をSüdkabel社マンハイム工場で製造する予定である。

今回、上記案件の受注に伴い、約90百万ユーロ(約150億円)の増産投資を決定。今後、Südkabel社の株式を100%保有するWilms Groupから株式を90%取得し、Wilms Groupと出資比率に応じたSüdkabel社への増資引受(総額30百万ユーロ、約50億円)を行っていく。なお、買収の手続完了は、関係当局の承認等を条件として、2024年10月1日を予定している。

ドイツのエネルギー転換に必要な高圧直流 XLPEケーブルを現地製造することで、地元経済および雇用にも貢献する。

鉄鋼・金属製品製造業界のM&A・事業承継の動向はこちら
(提供:日本M&Aセンター

無料会員登録はこちら