法人税
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内山 瑛
内山 瑛(うちやま・あきら)
公認会計士。名古屋大学法学部在学中に、公認会計士試験に合格。新日本有限責任監査法人に入所し、会計監査・コンサルティング業務を中心に研鑽を積む。2014年に同法人を退所し、独立。「お客様の成長のよきパートナーとなる」ことをモットーに、記帳代行・税務申告にとどまらず、お客様に総合的なサービスを提供している。近年は、銀行評価を向上させる財務コンサルティングや内部統制構築支援、内部監査の導入支援にも力を入れている。

法人税は、どのように計算されるのだろうか。単純に、利益に税率をかければ出るのだろうか。大雑把に言えば間違っていないが、それでは正確な数値は求められない。税金の計算には、税法独特の考え方があるからだ。ここでは、法人税を正しく理解するために、その計算方法を解説する。

目次

  1. 法人税の計算の仕方
  2. 収益と益金の違い
    1. 益金になるもの
    2. 益金にならないもの
  3. 費用と損金の違い
    1. 損金になるもの
    2. 損金にならないもの
  4. 法人税以外にもかかる税金

法人税の計算の仕方

法人税額は、課税所得に税率をかけて求める。計算式自体は非常にシンプルだが、その中身はやや複雑だ。そこで、それぞれの構成要素を詳しくみていきたい。まずは、利益と所得の違いを確認しておこう。

利益とは、会社の儲けを示すものであり、その年の経営状況を評価する指標となる。売上などの収益から、仕入や販管費などの経費を差し引いたものが利益だ。所得とは、税金計算の基礎となる数値であり、税金計算上の収益にあたる「益金」から、同じく費用にあたる「損金」を差し引いて計算される。

実際の計算では、利益額をもとに、所得の計算との違いを調整することになる。収益と益金、費用と損金の具体的な相違点については、後程解説する。

所得の金額が確定したら、そこに税率を乗じて法人税の金額を計算する。法人税の税率は会社の規模や所得の金額によって異なり、中小企業の場合は800万円以下の部分については15%、800万円を超える部分については23.2%だ。

収益と益金の違い