三井物産、ブラジル最大規模のリチウム鉱区保有の米Atlas Lithium Corporationに3000万米ドルを出資

三井物産株式会社(8031)は、ブラジル最大規模のリチウム鉱区を保有している米国Atlas Lithium Corporation(米国フロリダ州 、以下「Atlas」)の第三者割当増資3,000万米ドルを引き受け出資参画することを決定した。

Atlasはナスダック上場企業で、ブラジルのミナスジェライス州にあるNeves(ネベス)リチウム鉱山を開発している。2024年第4四半期(10-12月)に生産を開始予定で、リチウム精鉱換算で電気自動車(EV)約100万台相当にあたる年間約30万トンの生産量を見込む。

Atlasはブラジル最大規模のリチウム鉱区保有者であることから、さらなる資源量のアップサイド(拡充)が期待できる。三井物産は2022年12月にAtlasと投融資・リチウム精鉱売買に関する覚書を締結し、今般、出資参画並びにリチウム精鉱オフテイク契約を締結した。

現在、脱炭素化の潮流に於いてモビリティの電動化が急激に進んでおり、EV用リチウムイオン電池の主要原料であるリチウムは、世界各国で重要鉱物として指定*されるなど、経済安全保障の観点からも安定した供給網の確立が求められている。

三井物産は、1960年代から鉄鉱石や原料炭の資源開発に積極的に取り組み、安定供給に寄与してきた。また、銅、ニッケル、アルミなどの非鉄金属の資源開発にも注力しており、急速に需要が増加しているリチウムへの取り組みも進めている。ブラジルでは、1970年代からの鉄鉱石投資事業に加え、モビリティ、エネルギー、農薬、流通、スキンケア等の幅広い事業を展開している。

三井物産は、グローバルなネットワークと鉱山ビジネスの知見を活かし、Neves鉱山への貢献と共にAtlasの成長を支援していく。電池メーカー・自動車メーカーなど需要家への販売活動を通じたリチウムの安定供給にも取り組む。

三井物産は、Global Energy Transitionを攻め筋の一つとし、エネルギーの安定供給と気候変動対応に資する事業を創出することを注力分野として位置付けている。本事業を通じてリチウムの安定したサプライチェーンを実現し、脱炭素社会の実現に貢献していく。

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(提供:日本M&Aセンター

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