2022年のベビー関連ビジネスの市場規模は前年比0.5%増の4兆3,537億円
~堅調な保育園市場に加え、順調な需要回復や価格改定等のプラス効果によって当該市場はプラス推移を維持~
株式会社矢野経済研究所(代表取締役社長:水越孝)は、国内のベビー関連ビジネス市場を調査し、ベビー用品、ベビー関連サービスの各分野別の市場動向、参入事業者の動向、将来展望を明らかにした。
ベビー関連ビジネスの市場規模推移
1.市場概況
2022年のベビー関連ビジネスの市場規模は前年比0.5%増の4兆3,537億円と推計する。
2022年も引き続き出生数減少によって需要層が減少している中、当該市場は堅調な保育園市場に支えられプラス推移となった。また、ベビー用品・育児用品をはじめとするベビー関連用品(用品、食品、衣料品など)の多くでは、コロナ禍での需要縮小からの順調な需要回復に加え、価格改定(値上げ)効果も相俟って、市場の減少幅を最小限に留める、或いは市場を押し上げるといった動きが見られた。
2.注目トピック
商品カテゴリー別の需要動向
育児用ミルク市場やベビーフード市場は、コロナ前の2019年まで順調に成長してきたが、2020年はコロナ禍での在宅時間の増加によって、時短ニーズや外出需要の低下が影響し減少に転じた。2021年以降は時短や利便性を重視したニーズや外出需要の回復、2022年に散見された価格改定の影響もあり、再び拡大基調となっている。今後は男性の育児参加の進展によって更なる需要の高まりを期待する。
哺乳関連用品(哺乳瓶・乳首)市場は、国内の出生数減少の進行に加え、コロナ禍でのインバウンド需要の消失によって減少に転じることとなったが、2022年はリニューアル商品の投入による買い換え需要の活発化によって市場は増加に転じた。今後においても、付加価値商品の投入や価格改定による市場の底上げ、インバウンド需要の回復、さらには男性の育児参加の進展を背景に、市場は緩やかに回復していくものとみる。
コロナ禍で大きなマイナス影響を受けたベビーカー市場では、2021年より徐々に外出自粛等が緩和され、ベビーカーの利用機会が増加していくに伴って、ベビーカー需要は回復基調にある。さらに価格改定の影響によって、市場の底上げも見られる。
3.将来展望
ベビー関連ビジネス市場の多くは、出生数減少の進行による需要層の減少によって厳しい状況が続くとみるものの、今後も堅調な保育園市場に支えられプラスでの推移が見込まれる。一方、ベビー用品・育児用品をはじめとするベビー関連用品(用品、食品、衣料品など)については、一時的に価格改定効果による市場の押し上げが見られるものの、インバウンド需要や外需の取り込み、更なる付加価値商品の投入などによって、需要層の減少を如何に最小限に抑えられるかが課題となっている。
なお、保育園市場については伸長率の鈍化が見られるものの、少子化対策・子育て支援に向けた公的資金の継続的な投入による、保育施設をはじめとする保育制度・環境の整備・拡充によって堅調な推移を維持しており、今後においても少子化対策・子育て支援の推進によってプラスでの推移を期待する。但し、出生数の減少が加速している中において、保育施設の新規開設の頭打ちや閉園、利用者数の減少によるマイナスの影響を懸念する。
調査要綱
1.調査期間: 2023年10月~12月 2.調査対象: ベビー・マタニティ・子育て支援関連事業者各社 3.調査方法: 当社専門研究員による直接面談(オンライン含む)、電話・e-mail等によるヒアリング調査、ならびに文献調査併用 |
<ベビー関連ビジネス市場とは> 本調査におけるベビー関連ビジネス市場とは、乳幼児(0〜2歳)向けの育児用品や食品、衣料品・身の回り品、育児関連雑誌、絵本、玩具等のベビー関連用品、ベビー関連サービス(保育園)を対象として算出した。なお、一部、3歳以上の幼児向け用品・サービスを含む。 |
<市場に含まれる商品・サービス> 育児用品(哺乳瓶・乳首、ベビー用食器、ベビー用紙おむつ、スキンケア関連商品、ベビーベッド・子ども用寝具、ベビーカー、ベビーチェア・ベビーラック、チャイルドシート、抱っこひも(ベビーキャリア))、食品(育児用ミルク、ベビーフード)、衣料品(ベビーウェア、ベビーシューズ、マタニティウェア)、出版物・玩具(育児雑誌、絵本・知育本、知育玩具・乳幼児向け玩具)、ベビー関連サービス(保育園) |
出典資料について
資料名 | 2024年版 ベビー関連市場マーケティング年鑑 |
発刊日 | 2023年12月28日 |
体裁 | A4 408ページ |
価格(税込) | 165,000円 (本体価格 150,000円) |
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