SWOT分析に役立つ2つのフレームワーク

SWOT分析の中でも「機会」や「脅威」など外部環境をより精密に分析するため、以下2つのフレームワークを用いることがあります。

PEST分析とは

PEST分析とは、ノースウェスタン大学のフィリップ・コトラー教授が提唱した外部環境の分析手法です。 規模の大きな事業を行う場合や海外事業を展開する場合のように、外部環境が事業に与える影響が大きい際に用いられます。

企業を取り巻く外部環境を、政治(Politics)・経済(Economy)・社会(Society)・技術(Technology)の4つの視点から分析し、外部環境の推移にともなってどのような影響が及ぼされるのかを把握したうえで、今後何が起こるかを予測します。

PEST分析を行う際には、これら4つの要素に関する外部環境要因をリストアップしていきます。

PEST分析でふまえる4つの要素
Politics(政治的要因) 政治や法改正、業界の構造改革・変化など
Economy (経済的要因) 景気、経済成長率、為替レートの変動など
Society(社会的要因) 人口動態、流行、生活者の価値観など
Technology(技術的要因) 技術革新、特許、代替技術など

ファイブフォース分析

ファイブフォース分析とは、SWOT分析におけるT(脅威)を分析するためのフレームワークとして、バーバード・ビジネススクールのマイケル・E・ポーター教授が提唱した分析法です。

自社が市場で直面している競争要因を5つの脅威に分類し、業界の動向を明らかにするとともに、自社が優位な位置に立つためにはどうすればよいのかを分析します。なお、ファイブフォース分析における5つの脅威とは、以下のものを指します。

① 同業者の脅威

競合他社の競争力をその知名度やブランド力をもとに分析するとともに、業界全体の規模や成長率なども分析していきます。
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②新規参入者の脅威

異業種から新規参入する場合の参入のしやすさや必要な技術力などを分析し、それが自社に対してどのような影響を及ぼすのかを考えます。

③ 代替品の脅威

業界の収益構造を根本から変えてしまうほどの代替品が現れた場合、業界の収益構造がどのように変化するのかを分析します。なお、業界の収益構造を根本から変えてしまうほどの代替品とは、CDに対するネット上の定額制音楽配信(サブスクリプション)などがそれにあたります。

④ 買い手(顧客・ユーザー)の交渉力の脅威

市場規模や競合他社の状況を分析し、買い手との間の力関係を製品の価格設定や収益性から分析します。

⑤売り手(サプライヤー)の交渉力の脅威

市場規模や競合他社の状況を分析し、売り手との間の力関係や売り手を乗り換えた場合のコストや脅威などについて考察します。 |