ピーアイコーポレーション

株式会社ピーアイコーポレーションは、神奈川県横浜市青葉区に本社を置く「総合不動産会社」だ。注文住宅のようなクオリティーで建てられた分譲住宅やニーズに合わせた注文住宅の「PISPEC」や「BASIC」、「ライトカスタマイズシステム」はカスタマーからの評価も高く、徐々に認知度を高めている。静岡と福岡に支社を構え、さらに各地への進出を目指すピーアイコーポレーション代表の折田浩一氏に話を聞いた。  

▽お話をお聞きした人:代表取締役 折田浩一
1963年10月生まれ。法政大学卒業後、家業の(有)日吉設備工業入社し、1989年に(有)日吉設備工業の代表取締役就任。2004年、(有)日吉設備工業から(株)ピーアイコーポレーションに組織変更(住宅設備会社から不動産総合会社への転換)。2020年に注文住宅事業を本格的に開始した。現在、戸建分譲、収益物件の販売、保有、注文住宅、その他建築・土木・測量等の請負を中心に不動産総合事業を行っている。

風通しが良い社風に充実した推奨資格支援制度も

――「ピーアイコーポレーション」という社名の由来を教えてください。

入社した1986年当時の代表は私の父親で、現取締役である折田稔です。1989年に私が代表になり、現在に至っています。以前は住宅設備会社で「日吉設備工業」という社名だったのですが、2001年に社内公募で「ピーアイコーポレーション」に変更しました。「完璧な」という意味の「Perfect」と「理想的な」という意味の「Ideal」を組み合わせて「ピーアイ(PI)」としました。

ピーアイコーポレーション

――本社が横浜市青葉区ということですが、静岡と福岡に支店を構えているのはなぜでしょうか?

本社では横浜の北部、川崎を中心に事業展開しておりまして、東は城南エリアあたりまでを事業範囲としております。静岡に関しては、静岡市の中心地に人脈がございまして、仕入れや販売において支援を得られる環境があるため拠点を置いております。福岡も同じく人脈があることと、街の人口が減らず非常に活気を帯びており、お客さまの層がかなり厚いというところで選んでいます。

もちろんその中間にある都市に関しても、機会を見て進出したいと考えております。基本的には人口密度の高いエリアや人口の多いエリア、街が活性化しているエリアを中心とした事業展開を考えています。

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――社内の雰囲気、社風についてもお聞かせいただけますでしょうか。

若い力もありますし、中堅層、ベテラン層もいます。幅広い世代が自由に発言できる雰囲気はあるかと思います。その中でより工夫を凝らした新しいアイディアを発信してもらい、それをさまざまな部分に生かせるところが特徴だと思っています。

――従業員に対して取り組んでいることで、紹介したいものがありましたらお願いします。

「推奨資格支援制度」がございます。就学に対する補助金や合格した際の褒賞金、資格手当など、ここまで多岐にわたって実施している企業は他にないのではないかと思うほど充実させているつもりです。

また、人事制度およびそれに伴う評価制度に関しては、細かいところまで検討しながら、より緻密かつオープンで、分かりやすいものを作るべく改良を進めているところです。採用計画につきましても、より有能な人材を迎え入れるために、積極的に活動しております。

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リーズナブルで高品質なものづくりへのこだわり

――現在の事業内容について教えてください。

戸建分譲事業が90%ぐらいのシェアを占めております。簡単に言うと、素地で土地を購入し、解体や造成を施して完成宅地にします。その後、弊社で建築物を建てて、企画住宅や分譲住宅として販売するという事業です。1棟2棟ではなく、ある程度まとまった区画を購入して開発をかけ、6棟から8棟の物件を分譲するというスキームが多いです。他に注文住宅を中心に建築請負をしておりまして、それが10%弱。残りが土木事業です。

――事業において、同業他社さんと異なる特色として打ち出せるものをご紹介ください。

ピーアイコーポレーション

パッと見て建売に見えない分譲住宅というのを意識しています。内装も外装も含め、デザインに注力しています。例えば外から見た時、平面的ではなく、ある程度の凹凸がついた、立体性のある建物を意識しています。内装に関しても然りです。同業他社の分譲住宅と見比べた時にちょっと違うということがお分かりいただけるかと思います。自社の設計担当が、どういう物件なら興味を持っていただけるのか、魅力を感じていただけるのかを日々、研究しています。

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次に性能です。例えば耐久性、耐震性。耐震等級「3」が一番上のクラスなのですが、それを全棟で取得するというのが弊社の方針です。また、断熱性能や気密性についても同業他社さんに比べて、優位性が高いと認識しています。そして、法改正により、2025年4月以降に着工するすべての建築物に「省エネ基準」への適応が義務化されることになるのですが、弊社が手掛ける物件は数年前にその基準をクリアしています。

そして、仕様です。例えば住宅内の設備や建材、その他アクセントとなるところに、ニーズが高いものを選んで標準化しています。また、立地性についてもこだわっています。東急線沿線の駅から徒歩圏内など、人気のあるエリアを厳選して選択・購入しています。

また、企画力も強みを発揮できる部分です。測量から土地利用計画、造成計画、建築計画を一貫して自社で行っているからこそ、無駄がなく使い勝手の良いものを提供できています。

最後に、コストパフォーマンスです。仮に同業他社で弊社と同じレベルでこだわったものを作るとすると、原価が300万円から500万円ほど弊社よりも上がってしまうと思います。

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――他社と比べてリーズナブルな価格設定ができる理由はどういった部分にあるのでしょうか。

まず、原価を低く抑えられていることです。高品質なものをパッケージ化することで、原価を抑えられているのではないかと思っております。

例えば、ハウスメーカーは1棟ずつ建てるため、その都度コストがかかります。弊社は6棟から8棟をまとめて建てるケースが多く、資材の納入や施工をまとめて行うことで原価の圧縮ができています。

――御社が手掛ける注文住宅の「BASIC(ベーシック)」、「PISPEC(ピーアイスペック)」、「ライトカスタマイズ」の違いについてご解説いただけますでしょうか。

まず、「BASIC」は弊社の分譲や建売の仕様で作っているものです。「PISPEC」は住宅の性能を高めたシリーズで、主に断熱の性能や耐震性を強化しています。また、中には予算の都合上、「PISPEC」では建てられないというお客さまもいらっしゃいますので、その場合は「BASIC」を基盤としつつ、一部に「PISPEC」の仕様を取り入れてカスタマイズしていく「ライトカスタマイズシステム」があります。お客さまの要望をお聞きしながらライフスタイルに即した住宅をご提案しています。

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売上高1,000億達成を目指し増店やDXを推進していく

――今回、ソーシャルレンディング実施を決めた理由と使途を教えてください。

まず、弊社自体がまだ知名度がそれほど高くない企業でございますので、ある程度の宣伝効果が得られるのではないかと期待しています。もう一つは資金調達の部分です。土地の部分での融資については金融機関から支援いただけるのですが、建物に対しては対象外になる場合が多いというのが現状ですので、そういった部分の資金に充てたいと考えています。

――今後の事業構想や目指すべき事業ビジョンについて教えてください。

売上高1,000億円の早期達成を目指しております。そのための増員と増店を考えています。活性化したエリアで、弊社の建物が受け入れられるエリアに進出したいと考えております。現在、大阪への進出を計画中です。

どのエリアに進出するにしても、基本はコア事業である戸建分譲を中心に建築の請負とのセットで行いつつ、段階的に収益物件の開発にも力を入れていきたいと考えています。

――新たに挑戦を考えている領域等はありますか?

不動産や建築の領域からはまだ脱却できていないのですが、不動産業界改革を目指して本業界の効率性を高めるべく、DXに力を入れていきたいと考えております。他社でも取り組んでいるところはありますが、類を見ない形でのIT化を図り、より公正で透明性が高く、お客さまにとって分かりやすい商品や価格、販売体系を構築していきたいと考えております。

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