アサヒコ「2023年事業発表会」様子(左から、數田彩乃氏、池田未央氏、高橋和好氏、里綾実氏)
(画像=アサヒコ「2023年事業発表会」様子(左から、數田彩乃氏、池田未央氏、高橋和好氏、里綾実氏))

アサヒコは3月1日、都内で「2023年プラントフォワード事業発表会」を開き、2023年事業戦略「ぜんぶとうふ化」作戦や春夏新商品について、池田未央執行役員営業・マーケティング本部長が説明した。

併せて、ふらんす屋の高橋和好シェフ特製「ぜんぶとうふ化」弁当の試食や、埼玉西武ライオンズ・レディースの里綾実氏、數田彩乃氏と対談を行った。

アサヒコでは、たん白質格差社会をなくすという事業目的から「TOFFU PROTEIN」(トーフプロテイン)シリーズを展開している。2022年は、「豆腐バー」が金額ベースで前年比150%増、「TOFFU PROTEIN」シリーズ全体でも前年比85%増を達成した。「TOFFU PROTEIN」シリーズは、植物性たん白質を食事で摂れることや、従来の豆腐よりメニューに広がりがある点などが消費者から好評を得ている。

これらを踏まえ池田氏は、プラントベースフード(PBF、植物性食品)をよく知らないことからくる不安感が、PBFトライアルの阻害要素になっていると指摘した。「一方で豆腐は、正体不明の新しい食べ物ではない。あえて言わせていただくと、豆腐こそが元祖PBFだ。日本のPBF市場をけん引するのは豆腐だ」と語った。

〈2025年にはプラントフォワード事業の全社売上構成比を50%に〉
続いて、2023年事業戦略について「ぜんぶとうふ化」作戦と題して説明した。

1つ目に、セブン-イレブンで発売している具材入りの「豆腐バー」が好評なことから、「豆腐バー蓮根と枝豆」を3月13日から全国発売する。蓮根と枝豆をメイン具材に、風味豊かなシイタケや、彩りにニンジンを入れている。総菜のような商品を片手で食べられることから、調理時間や食事時間を削減する「究極のタイパ飯」として、品ぞろえを強化したとする。

2つ目に、「豆腐バー」を外食や中食でも活用する。「豆腐バー」は通常の豆腐よりたん白質が豊富で水分が少なく、食感に食べ応えがあることから、豆腐のナゲットや天ぷらといった揚げ物や、サラダのトッピングなどに活用できることを訴求する。

3つ目に、「TOFFU PROTEIN」シリーズから、豚肉のような「大豆のお肉生姜焼き」を3月6日から発売した。現在は「唐揚げ」を開発中で、牛肉、豚肉に加えて鶏肉に見立てた商品もシリーズに加わることになる。さらに、魚肉にも着手しており、「ツナフレーク」を開発中だという。

4つ目に、調味料の「ぜんぶとうふ化」を挙げる。例えば、「豆腐のお肉ガパオ」は、ガパオライスだけでなく、ポテトサラダの具材として活用する消費者もいるという。そこで、豆腐を食事に取り入れたいがメニューが広がらない人に向けて、調味料のように同シリーズを使うことを提案する。3月6日には「豆腐のお肉担々肉味噌」を新発売した。麺にトッピングすれば担々麺に、豆腐と和えれば麻婆豆腐が食べられる商品だ。

5つ目に、主食でも同シリーズを提案する。中国でおかずやおつまみに食べられている豆腐干絲(トウフカンス)を、主食の麺として商品化を検討しており、「豆腐干絲汁なし担々麺」、「豆腐干絲台湾まぜそば」を2022年11月からテスト販売中だ。同商品は、有機大豆で作った豆腐を麺状にカットした糖質0g、高たん白な麺となる。コシのある食感で、炒めるほか、温かいスープに入れるなどアレンジが効く。

「ぜんぶとうふ化」作戦にあたり、高橋シェフを迎え、商品の監修や「TOFFU PROTEIN」を使った商品のレシピ考案などの協力を仰ぐ。

2020~2022年のプラントフォワード事業の年平均成長率は340%となっている。今後の販売目標について、2025年にはプラントフォワード事業の全社売上構成比を、現在の3倍となる50%にするとしている。

〈大豆油糧日報2023年3月7日付〉