![《Grin Reaper》](https://cdn.the-owner.jp/600/400/rYMkhJrkuYHJMuAPPUkxykiZigKVCPEA/cee6b67f-674f-4e97-b838-ad0f126be831.png)
2022年9月1日、フォーラムオークションがイギリスのストリートアーティスト・バンクシーの作品のみを集めた「Only Banksy」を開催。バンクシーの人気作《Choose your Weapon》がトップを飾り、ANDARTでも取り扱う《Sale Ends (v.2)》はトップ3に入る好調な結果で終了した。本オークションより、落札価格トップ5の作品をご紹介。落札価格は手数料込み、1GBP=161.77円で計算。
5)《Flying Copper》(2003)
落札価格:約631万円(£39,000)
![flyingcopper](https://cdn.the-owner.jp/650/896/acduvqsRKBycWGWUXvPFNfYcAzZqTHDQ/b2179f57-0ce1-4ab9-9f86-f68df74d0a3f.jpg)
出典:https://www.forumauctions.co.uk/
本作は、スティーブ・ラザリデス(イギリスのストリートアート普及に貢献した写真家/コレクター/キュレーター)とコラボレーションの作品。武装した警察官のスマイリーフェイスは、1990年代のアシッドハウス・カルチャー(1987年頃に始まった電子音楽、ファッション、クラブ・カルチャーをミックスしたカルト現象のことで、そのシンボルがスマイリーフェイスである)と子供時代の無邪気さも表現していると言われている。本作の色違いには背景がピンクになったバージョンと、スマイリーフェイスがピンクの希少なアーティストプルーフがある。(予想落札価格:356万〜518万円/£22,000 – 32,000)
4)《CND Soldiers》(2005)
落札価格:約694万円(£42,900)
![cndsoldiers](https://cdn.the-owner.jp/650/906/ukyIKJYPYyQndeCZiRpKFcriioxdGVcc/3a46adc3-726a-4520-a755-a716acf70b3d.jpg)
出典:https://www.forumauctions.co.uk/
本作は、2003年に起きた反戦抗議デモの際に国会議事堂の外に登場した作品で、バンクシーの反戦を訴えた作品の一つ。その後、2005年にPOWからサインあり・なし共に350枚ずつ販売され、今回落札されたのはサインありの一枚。赤いペンキで描かれたピースサインは、もともと1957年のイギリスの「Campaign for Nuclear Disarmament(核軍縮キャンペーン)」を象徴するもので、タイトルの「CND」はその略である。(予想落札価格:485万〜647万円/£30,000 – 40,000)
3)《Sale Ends (v.2)》(2006)
落札価格:約715万円 (£44,200)
![saleends](https://cdn.the-owner.jp/650/479/iXcjxFDSpSTMrAnyuNfTZbBdmiDnGxnJ/ff19960e-ea71-4505-81a6-801a965f74ed.jpg)
出典:https://www.forumauctions.co.uk/
2006年にロサンゼルスで開催された伝説の個展「Barely Legal」(意味:かろうじて合法)のために制作された作品(エディション500/サインあり)で、販売されたのはその11年後の2017年。当時バンクシーのプリンターだったPOWこと「Pictures on Walls」の閉店をきっかけに、その間ずっと保管されていた本作を発売したのである。「Sale Ends Today(セールは今日で終わり)」と描かれた看板にすがる人々の様子は、たびたび大量生産や消費社会を風刺するバンクシーらしさに溢れている。(予想落札価格:約566万〜808万円/£35,000 – 50,000)
2)《Grin Reaper》(2005)
落札価格:約1,241万円(£76,700)
![grinreaper](https://cdn.the-owner.jp/623/1024/eOPaqrkRWWqrCLYVTbiCsINshtNeJLOj/a30b86b2-0d89-4b6d-8b8e-2b973ffed523.jpg)
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5位の《Flying Copper》と同じくアシッドハウス・カルチャーを連想させるスマイリーフェイスの死神が描かれた作品。ロンドンにあるビッグベンを模した時計は12時5分前を指しており、まるで死神が12時になるのを待ち侘びているかのようにも感じられる。タイトルの“Grin Reaper”は、本来「死神」を意味する“Grim Reaper”を「にやっと笑う」という意味である「Grin」に置き換えた言葉遊び。(予想落札価格:約808万〜1,132万円/£50,000 – 70,000)
1)《Choose Your Weapon (Bright Purple)》(2010)
落札価格:約2,208万円(£136,500)
![banksy1](https://cdn.the-owner.jp/650/656/NyGkmOAavaesofwWFjxDIZWxWuZRNZcw/366519a7-1aa7-4d07-89a6-c403e1a06603.jpg)
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2010年にロンドンに登場した本作は、アメリカのストリートアーティスト、キース・ヘリングの「Barking Dog(吠える犬)」のモチーフを引用した作品。この作品が表現しているのは、制作された当時に多くのメディアが注目していた社会に不満を持つ若者が、攻撃的な犬を「武器(Weapon)」として所有していた現象である。多色展開されているこのシリーズの「ブライト・パープル」は25枚限定サインありの作品。(予想落札価格:約1,618万〜2,427万円/£100,000 – 150,000)
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文:ANDART編集部