相続が発生した場合には、相続税がかかるかどうかを心配してしまうものです。今回は、相続税を計算するために必要な不動産の中でも自宅以外の不動産について評価額の算出方法について見ていきたいと思います。
1. 貸家・貸地は権利を差し引いて評価される
以下の図では、自宅以外の不動産の評価額の算出方法についてまとめていますので確認をしてみてください。
不動産の種類 | 評価額の算出方法 |
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貸地 | 自用地の評価額 × (1-借地権割合) |
自用地 | 路線価 × 宅地面積 若しくは 固定資産税評価額 × 評価倍率 |
農地 | 農地の種類に応じて、次の通り算出することになります。 (1)純農地:固定資産税評価額 × 倍率 (2)市街地農地:宅地比準方式若しくは倍率方式で評価 (3)中間農地:固定資産税評価額 × 倍率 (4)市街地周辺農地:(2)の評価額の8割 |
山林 | 山林の種類に応じて、次の通り算出することになります。 (1)純山林:固定資産税評価額 × 倍率 (2)市街地山林:宅地比準方式若しくは倍率方式で評価 (3)中間山林:固定資産税評価額 × 倍率 |
貸家建付地 | 自用地の評価額 × (1-借地権割合×借家割合×賃貸割合) |
貸家 | 固定資産税評価額の7割 |
※農地及び山林に適用されうる「宅地比準方式」ですが、「(宅地に比準した土地の1㎡当たりの価格―1㎡当たりの造成費)× 農地の面積」によって算出することが出来ます。
自宅以外の不動産の評価のポイントとしては、所有している訳ではないので一定額の割引を受けることが出来るということです。例えば、借地権の評価の割合は個別具体的に変わりますので、不動産所在の地域の路線価を調べるようにしましょう。
2. 農地・山林は「評価倍率表」を調べよう
農地や山林の場合には、どのような性質であるかによって、算出方法が異なることになります。農地の場合の倍率は所在地を管轄する市区町村が、山林の場合の倍率は国税庁がそれぞれ公表していますので、確認をすることが出来ます。
3. まとめ
今回は、自宅以外の不動産の評価額の算出方法がどのようになっているのかをご確認頂きました。基本的に、不動産の種類や不動産の所有の形態によって、評価額が一定程度減額することが出来ることをご理解頂けたのではないでしょうか。一方で、具体的にどれほどの金額を減額することが出来るのかについては少し難しい内容となったかもしれません。計算方法に不安な点等がございましたら、一度専門家に相談をしてみるのも良いでしょう。(提供:ベンチャーサポート法律事務所)