見た目は食品サンプル、温めると本格的な中華――。そんな冷凍のチャーハンやあんかけ焼きそばなど6品を、中華惣菜を販売する横浜桂林(東京都千代田区)が6月30日に発売した。
食材や調理方法などに力を注ぐとともに、インパクトのある見た目にもこだわった。森下雅由社長は「今までならば表現できなかった商品。冷凍だからこそできた」と自信を見せる。
なお、この商品には、瞬間凍結機の販売などを手掛けるデイブレイク(東京都品川区)の瞬間凍結機も活躍しており、デイブレイクの基準を満たした認証を初めて取得した商品でもある。
横浜桂林は、百貨店やショッピングモールで惣菜を販売しており、「本格中華料理を家庭で満喫できること」を目標に惣菜を開発している。今回の冷凍商品は、チャーハンやあんかけ焼きそば計6品を用意した。価格は1,000~1,800円。見た目にもこだわり、ゆで卵や角煮などの具材を、見た目でも楽しめる商品となっている。賞味期限は約2カ月で、通常の惣菜よりも長期間保存できる。
今回発売の「角煮入りあんかけ焼きそば」(620g、1,500円)を食べてみたところ、卵や角煮、チンゲン菜などの食感や味を楽しむことができた。飲食店で食べているような感覚でもあった。
これらの商品の発売を記念して、7月3日までは各20パックまでを30%引きで販売する。また、8月には自社ECサイトでの販売も計画しているほか、取扱店舗の拡大も視野にあるという。
開発は昨年11月から始まった。セントラルキッチンで調理し、それをデイブレイクの瞬間凍結機「アートロックフリーザー」で凍らせて、真空パックしている。
横浜桂林の森下社長によると「元々は冷凍の商品を出すことは考えていなかった。店舗でより美味しいものを出したいと思っていたら、今回の開発に至った」と話す。商品については「瞬間凍結だからこそできたことだと思う」と語る。 また、今回の冷凍惣菜は、デイブレイクが開始した「アートロックフローズン認証」を初めて取得した商品でもある。
この制度は、食材の選定や前処理・加工、凍結、保管、解凍といった評価項目をすべて満たすと共に、デイブレイク社内外の有識者による味や見た目の評価から総合的に判断し、商品を選んでいる。特殊冷凍機の活用方法を研究している「デイブレイクファミリー会」のメンバーも選定に関わっているという。
広報担当は「飲食店の評価のように、一目で高品質な商品だと分かってもらえるような制度にできれば」と話す。また、将来的には認証を取得した所品のセット販売や共同輸出も視野に入れている。
〈冷食日報2022年7月1日付〉