2021年度のカテーテル&チューブ、IVR製品市場は一部症例が回復傾向になることから、前年度比3.2%増の3,821億1,300万円の見込
株式会社矢野経済研究所(代表取締役社長:水越 孝)は、国内のカテーテル&チューブ、IVR製品市場の調査を実施し、市場規模推移、診療科目別製品導入動向、製造販売業/販売元シェア、参入各社の販売政策、今後の成長製品などを明らかにした。
1.市場概況
カテーテル&チューブ、IVR製品とは、病院やクリニック、検査センター等で使用される単回使用の医療機器(診断及び治療を目的として使用される医療用デバイス)である。カテーテル&チューブ、IVR製品を含む国内医療機器市場は、近年、診療報酬改定による影響を受けて減少する製品も多いものの、これまでは横這いから微増推移を続けてきた。
2020年度は新型コロナウイルス感染拡大により、緊急性の低い手術の延期をはじめ、外来受診控えや健康診断の未受診等が発生しており、医療機器やデバイス市場に大きな影響を与えている。2020年度のカテーテル&チューブ、IVR製品市場(メーカー出荷金額ベース)は、前年度比5.9%減の3,703億6,900万円となった。2021年度については一部症例が回復傾向になることから、同3.2%増の3,821億1,300万円の見込みである。
2.注目トピック
アブレーション関連カテーテル市場
不整脈などのアブレーション治療(経皮的心筋焼灼術)は2020年度で93,678例、うちAF(心房細動)症例が66,000例と引き続き増加しており、同症例に対してはIVUS(Intra Vascular Ultra Sound)・ICE(Intracardiac Echocardiography)が90%以上で採用されていると推測する。
アブレーション関連カテーテルでは症例数が増加する中、アブレーションカテーテルの出荷本数の増加と併せて、電極カテーテル、遠位端可動型シースイントロデューサーセットも引き続き増加傾向にあり、コロナ禍の影響で2020年度のアブレーション関連カテーテル市場は前年度比1.3%減の878億5,100万円と減少したものの、2021年度は同7.0%増の939億6,900万円を見込む。
3.将来展望
カテーテル&チューブ、IVR製品市場は、外科的な手術から非侵襲的な経皮的手技の症例が増加する中で、これまで微増推移してきた。近年は診療報酬の改定時における大幅な価格下落もあり、今後は症例数が増加傾向にある付加価値診断系カテーテル、アブレーション関連製品等を除く多くの製品がマイナス~1%未満の成長率にとどまるなど、製品群の二極化傾向が続く見通しである。
これらを考慮し、2025年度のカテーテル&チューブ、IVR製品市場規模は、2020年度比4.9%増の3,885億1,600万円と予測する。
調査要綱
1.調査期間: 2021年5月~2022年2月 2.調査対象: 国内メーカー及び輸入製品の総発売元(製造業・製造販売業) 3.調査方法: 当社専門研究員による直接面談(オンラインを含む)、ならびに電話取材調査併用 |
<カテーテル&チューブ、IVR製品とは> 本調査におけるカテーテル&チューブ、IVR製品とは、病院やクリニック、検査センター等で使用される単回使用の医療機器(診断及び治療を目的として使用される医療用デバイス)を指し、血管内で使用される、PTCA(Percutaneous Transluminal Coronary Angioplasty)やPTA(Percutaneous Transluminal Angioplasty)関連のカテーテル、血管造影用カテーテル、アブレーション治療関連のカテーテル、Coronary Stent(ステント)、末梢血管用ステント、塞栓用コイル、消化管バルーン・ステント、栄養カテーテル、サクションチューブ(吸引カテーテル)、尿管ステント、ネラトンチューブ、自己導尿カテーテルなどに加え、各診療科特有の製品を含む52項目(80区分)を対象とした。 また、IVR(Interventional Radiology)製品は、X線透視撮影装置やCTなどの画像診断下で体内の診断・治療を行うデバイスで、血管系と非血管系の製品に分類される。 |
<市場に含まれる商品・サービス> カテーテル&チューブ、IVR製品 |
出典資料について
資料名 | 2021年版 カテーテル&チューブ、IVR製品市場の中期予測と関連製品の徹底分析 |
発刊日 | 2022年02月25日 |
体裁 | A4 691ページ |
価格(税込) | 132,000円 (本体価格 120,000円) |
お問い合わせ先
部署 | マーケティング本部 広報チーム |
住所 | 〒164-8620 東京都中野区本町2-46-2 |
電話番号 | 03-5371-6912 |
メールアドレス | press@yano.co.jp |
©2022 Yano Research Institute Ltd. All Rights Reserved.
本資料における著作権やその他本資料にかかる一切の権利は、株式会社矢野経済研究所に帰属します。
報道目的以外での引用・転載については上記広報チームまでお問い合わせください。
利用目的によっては事前に文章内容を確認させていただく場合がございます。