矢野経済研究所
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2021年度のメディカルバイオニクス(人工臓器)市場は、症例数の回復が見込まれる中で、前年度比3.6%増の6,850億1,500万円の見込

~適用基準はあるものの経皮的手術用デバイスが引き続き臨床で採用される~

株式会社矢野経済研究所(代表取締役社長:水越孝)は、国内のメディカルバイオニクス(人工臓器)市場について調査を実施し、製品別市場規模推移、今後の成長要因、市場特性などを明らかにした。

1.市場概況

メディカルバイオニクス(人工臓器)製品とは、病院、クリニック、検査センター等で使用される体内埋込み型及び関連装置の医療機器(デバイス)である。
体外循環を除いた人工臓器の市場では、ここ数年、より低侵襲な手術手技の発展、新たなデバイスの上市が市場の趨勢で、適用基準はあるものの経皮的手術用デバイスが引き続き臨床で採用されている。こうした流れが、Open surgery(直視下手術)用デバイスに影響を与えている症例や製品群は増えている。また、慢性疾患においても骨粗鬆症薬やリウマチ治療薬投与患者の増加が、一部ではあるが手術件数の変動要因になっている。
この様な状況下、2020年度のメディカルバイオニクス(人工臓器)市場(主要34項目68製品合計)は、製品により異なるものの新型コロナウイルス感染拡大の影響の中で、前年度比0.6%減の6,612億3,300万円と推計した。

2.注目トピック

脳外科6製品の動向

メディカルバイオニクス(人工臓器)市場のうち、脳外科6製品の2020年度市場規模は前年度比8.9%減の107億600万円となっている。
新型コロナウイルス感染症拡大の影響による症例減の影響もある中、脳動脈瘤クリップが脳血管内治療症例増加等の影響もありマイナス推移、シャントバルブもマイナスとなった。脳外科領域では、塞栓コイルを含めた脳血管治療用デバイス症例や放射線治療件数の増加で開頭術数は減少傾向にあり、マイクロプレートシステムや同分野で採用される人工骨市場で厳しい状況が続いている。
2021年度の脳外科6製品の市場規模はコロナ禍からの回復が見込まれる一方、上記マイナス要因もありほぼ横ばいの107億2,900万円の見込みとなる。

3.将来展望

メディカルバイオニクス(人工臓器)の動向を診療科目別にみると、胸部・血管外科分野ではコロナ禍による待機症例の延期等の影響があった一方で、TAVI・TAVR(経カテーテル大動脈弁植え込み術)は適応拡大などで引き続き症例増となり、人工血管は上記要因に加えて腹部・末梢血管領域でのDCB(薬剤コーテッドバルーン)の影響が引き続きあった。弊社区分では最大規模となる整形外科領域では、コロナ禍の影響から人工関節の市場がマイナスとなる一方、影響が少なかった脊椎固定システム市場が続伸している。人工腎臓関連では、慢性透析患者数の伸び率は減少しているもののコロナ禍の影響は無く、引き続き増加している。
2021年度のメディカルバイオニクス(人工臓器)市場は、症例数の回復が見込まれる中で、前年度比3.6%増の6,850億1,500万円を見込み、2025年度は7,193億4、800万円と予測する。

調査要綱

1.調査期間: 2021年4月~2022年1月
2.調査対象: 国内メーカー及び輸入製品の製造販売業:販売元
3.調査方法: 当社専門研究員による直接面談(オンライン含む)、ならびに電話取材調査併用
<メディカルバイオニクス(人工臓器)市場とは>
本調査におけるメディカルバイオニクス(人工臓器)市場とは、病院やクリニック、検査センター等で使用される体内植込み型及び関連装置の医療機器(デバイス)を指し、インプラント材や体外循環関連装置・製品(主要34項目、68製品)によって構成される。
主に、循環器分野では人工心肺や人工血管、ペースメーカー、人工弁等、整形外科分野では人工関節や人工骨、人工靭帯、各種プレート、その他分野では人工腎臓(透析)、皮膚欠損用創傷被覆材、人工肛門・膀胱(ストーマ)、各種ステント製品等が該当する。

出典資料について

資料名2021年版 メディカルバイオニクス(人工臓器)市場の中期予測と参入企業の徹底分析
発刊日2022年02月10日
体裁A4 788ページ
価格(税込)132,000円 (本体価格 120,000円)

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