2021年度の冷凍食品事業の業績(日本生活協同組合連合会)
(画像=2021年度の冷凍食品事業の業績(日本生活協同組合連合会))

〈調理冷食がけん引 更なる商品改良やコスト改善なども注力へ〉
日本生活協同組合連合会(日本生協連)が4月12日に発表した2021年度の冷凍食品事業の業績で、供給金額(売上高)は前年度比0.2%増の584億2,000万円で過去最高の実績となった。

2019年度比では14.6%増となっている。宅配と店舗で調理冷食の好調が売上をけん引した。同日開かれたWEB上の会見で、冷凍食品部長の長門哲也氏は「海外工場でクラスターの発生により、チャンスロスも見られた」とコメントしている。2022年度は商品のブラッシュアップや価格訴求型商品の追求などに取り組む。冷凍食品市場が拡大する中、コープ商品も年々拡大し、2021年は2005年比で54%増となっている。中でも調理冷食が全体をけん引し、コロナ禍に需要の高まった冷凍野菜も順調に推移している。

カテゴリー別では、調理冷食は前年度比3.6%増、畜産は2.9%減、冷凍野菜は6.9%減、アイス冷菓は1.8%減となっている。調理冷食はコロナ禍でさらに伸長した。中でも、麺類や米飯などの主食系が好調だった。その中で、食事セットは二けた増となった。惣菜系はやや苦戦した。弁当用のフライが苦戦したものの、中華総菜の春巻きと餃子は伸長した。スナック類は在宅率の高まりもあって順調だった。

畜産は上期までは順調だったが、下期は東南アジアで主力製品の焼き鳥が製造を停止し、その影響で苦戦した。年末以降に供給を徐々に再開させたものの、売上は前年を下回った。一方、カツは油調理、レンジ調理の両方とも好調だった。また、から揚げや味付け肉、巻物など精肉加工品も伸長した。

冷凍野菜は前年の伸長率が高く、その反動で大きく下回ったが、2019年比では14.7%増となっている。国産原料には限りがあり、海外も東南アジアを中心にコロナの影響を受けたため、急増した需要に供給が追い付かなかった。アイスは冷夏の影響でマイナスだった。

2021年のヒット商品は、2021年に発売商品では「フライパンでパリッと中華春巻10本」、「えびといかの彩りパエリア仕立て」、「クッキー&バニラバー 8本入」の3品だった。

既存品では「長崎風ちゃんぽん」、「レンジでサクッとロースとんかつ2枚」、「ふっくら卵のオムライス1食入」、「ふっくらジューシー生ハンバーグ4個入」、「たこ焼 50個入」、「彩り野菜の入ったごろっとチキンカレー」6品だった。

また、2017年に投入した乳幼児向け商品「きらきらステップ」と、2019年に立ち上げられた歯が生えそろった後の幼児を対象とした「きらきらキッズ」の販売概況についても説明があった。「きらきらステップ」は2017年比で309%増、きらきらキッズは2020年比で96%増となっており、どちらも大きく伸長している。今年で5周年を迎えることを記念し、ファンミーティングの実施や、組合員のエピソードなどを軸にしたPR漫画の作成、品ぞろえの見直しと新商品の追加も検討する。

〈冷食日報2022年4月13日付〉