「3秒チャレンジリサイクルボックス」とプロジェクトチーム
(画像=「3秒チャレンジリサイクルボックス」とプロジェクトチーム)

早稲田大学は3月24日、早稲田大学附属本庄高等学院で、ペットボトルのリサイクルボックスを魅力的にするアイデアを具現化した「3秒チャレンジリサイクルボックス」の完成披露イベントを行った。同高校の生徒8人が考案・制作し、早稲田大学の協力によって完成までこぎつけた。同高校に設置される。

「3秒チャレンジリサイクルボックス」は、キャップを入れるとタイマーがスタートし、ペットボトルを入れるとストップする。“3.00秒”ピッタリに入れると音楽が流れる仕組みだ。生徒の「楽しく分別することによって、資源の循環にも貢献したい」という想いから発案された。

高校生メンバーはアイデアを出しただけでなく、プロジェクトチームを作り、企画から制作まで主体的に取り組んだ。それをサポートをしたのは、早稲田大学で実験教育を担当している技術職員で、高校生は大学に出向いたり、オンライン会議を活用してアドバイスを受けながら取り組んだ。特に、センサーや外装の部分など、技術的に難しい部分で協力を得て完成したという。

ボックスには高校生らしい工夫もある。投入口を2つ設けたことで、何らかのテーマに対して2択のアンケートを取ることができる。また、一部を透明にすることで、どのくらいボトルが集められたか、外からわかるようにした。高校生の代表者は、「皆さんの協力でアイデアが形になり嬉しい。このリサイクルボックスを見て、いっそうリサイクルしようという気持ちになってくれたら」と話した。

分別したペットボトルを入れる様子
(画像=分別したペットボトルを入れる様子)

今回のプロジェクトは、早稲田大学とサントリー食品インターナショナルとの資源循環型社会の構築を目指した協定に基づく連携事業のひとつ。サントリーは、限りある資源を何度も循環させることを目的に、ペットボトルからペットボトルへのリサイクル(水平リサイクル)の活動を推進している。サントリーは2021年10月の本庄高等学院への出張授業で、リサイクルボックスの「分別が楽しくなるアイデア」を出してもらうことを提案し、生徒が今回のアイデアを考案したという。

街中にある自動販売機横のリサイクルボックスは、家庭から回収される使用済みペットボトルに比べると、異物混入や飲み残しのボトルが多いことが課題となっている。清涼飲料業界では、この秋にも投入口が下向きにしたオレンジ色の新リサイクルボックスを展開する予定など、改善に向けた動きが出てきた。今回のように、高校生が主体的にリサイクル活動に関わっていくことは、分別が当たり前の世の中へ一歩近づくヒントになりそうだ。