2022年3月29日、ロサンゼルスでボナムズオークション「Prints & Multiples」が開催。ドイツの印象派画家や19世紀モダン、戦後、現代のコンテンポラリーまで幅広い年代で活躍したアーティストの作品が出品された。その中から、落札価格TOP5の作品とANDARTに関連するアーティストの落札情報をピックアップして紹介。$1＝123.31円で計算、落札価格は手数料込み。
5）ロイ・リキテンスタイン
《Sunshine Through the Clouds, from Landscape Series》
落札価格：約1,266万円($102,812)
ニューヨーク生まれのロイ・リキテンスタイン（1923-1997）は、アンディ・ウォーホルと並んでポップアートを代表する画家。アメリカンコミックの一コマを拡大して、印刷インクのドッドも含めて忠実に再現した作風で有名。1960年代後半にはコミックを題材とすることをやめてしまったが、本作は1964年から制作を始めた「ランドスケープ」シリーズのうちのひとつ。画面左下には、リキテンスタインの代表作のひとつ「ブラシストローク（筆触）」シリーズのグレーの筆触も描かれている。（予想落札価格：約739〜985万円/$60,000〜80,000）
3）ロイ・リキテンスタイン
《Reflection on Soda Fountain》
落札価格：約1,697万円($137,812)
本作は、リキテンスタインが1990年代前半に制作をはじめた「リフレクション（反射）」シリーズのひとつ。ガラスを通して見るような視点で反射を描くことにより、画面に抽象的な断片が生まれ、コラージュのようになっているところが特徴。作品のメインモチーフである「ソーダ」は、1964年に制作した《Sandwich and Soda》が元になっている。（予想落札価格：約616〜862万円/$50,000〜70,000）
3）アンディ・ウォーホル《Mick Jagger》
落札価格：約1,697万円($137,812)
ポップアーティストの代表的なアーティスト、アンディ・ウォーホル（1928-1987）。マリリン・モンローや毛沢東など有名人を被写体に制作したポートレートのなかでも、人気の作品のひとつがローリング・ストーンズのミック・ジャガー。ウォーホルとジャガーが出会ったのは、ローリング・ストーンズがあめりかではまだ比較的無名だった頃の1964年。本作は1975年に制作したジャガーのポートレート10枚組の1枚。（予想落札価格：約616〜862万円/$50,000〜70,000）
ANDARTでは、有名人を被写体にしたシリーズのうちのひとつ、女優のエリザベス・テイラーを描いた作品《Liz》を取り扱い中。
2）デイヴィッド・ホックニー
《Lithographic water made of lines and crayon》
落札価格：約2,405万円 ($195,312)
1937年イギリス生まれの現代アートの巨匠、デイヴィッド・ホックニー。ホックニーは絵画、写真のコラージュ、オペラの舞台芸術、iPadを使ったデジタル作品などジャンルにとらわれず、多才な才能を発揮している。ホックニーの代表的なモチーフに挙げられる「スイミング・プール」を描いた本作は、ハンドメイドで作られた紙にリトグラフで制作した42部限定の作品。（予想落札価格：約739〜985万円/$60,000〜80,000）
ANDARTでは、ホックニーの「スイミング・プール」を描いたリトグラフ作品《Pool Made with Paper and Blue Ink for Book, from Paper Pools (M.C.A.T. 234)》を取り扱い中。
1）アンディー・ウォーホル《Grapes》
落札価格：約5,699万円 ($462,812)
予想落札価格を大きく超えて今回のオークションのトップになったのは、ウォーホルの6枚セットの葡萄を描いた作品。写実性が重視される伝統的な静物画に対して、ウォーホルは抽象的に、持ち味であるカラフルな色彩でポップさを全面に出して新たなアプローチをした。6枚それぞれには違う品種の葡萄が描かれている。こちらは50部限定で、別版でダイヤモンドダスト入りのバージョンも制作されている。（予想落札価格：約2,463〜3,078万円/$200,000-250,000）
【ANDART取り扱いアーティスト落札情報】
パブロ・ピカソ
《Jacqueline au Bandeau de Face (Grand Tête de Femme)》
落札価格：約1,235万円 ($100,312)
20世紀を代表する画家、パブロ・ピカソ（1881-1973）による最後の妻・ジャクリーヌを描いた50部限定の版画作品。1950年代から60年代にかけてピカソが制作した、カラーのリノカット版画（凸版技法の一種）の中で芸術性が特に高いのが、ジャクリーヌを描いた作品だといわれている。（予想落札価格：約1,108〜1,476万円/$90,000〜120,000）
ANDARTでは、この作品と違うバージョンのジャクリーヌを描いた作品《Portrait de Jacqueline de Face Etat Ⅲ 21-21-1961(Bloch 1064)》を取り扱い中。
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文：ANDART編集部
