森永乳業は、首都圏(東京・神奈川・埼玉・千葉)132ヵ所の幼稚園・保育園に通う3~5歳の3万人に、「森永牛乳(200ml)」を無償で提供する。実施期間3月14日から3月18日。
3月下旬から5月上旬にかけ、牛乳の原料となる生乳が廃棄される可能性が出てきたことに対応する。すでにオハヨー乳業など乳業他社も牛乳の無償提供を実施しており、森永乳業については3万人規模という大きな取り組みとなる。
幼稚園・保育園児の保護者や家族にも、牛乳のおいしさや栄養の大切さを知ってもらおうと、牛乳とセットにしてリーフレットも配布する。
なお生乳生産は、数年前に発生した乳製品不足への対応から、酪農乳業界と行政が一緒になって生乳生産基盤の強化に向けて取り組みを進めた結果、近年生乳生産が増加に転じている。そのような中、新型コロナウイルス感染症の影響により、業務用の牛乳・乳製品の需要回復が遅れていることなどから生乳の需給ギャップが発生しやすい状況にある。
3月下旬から5月上旬の期間は、牛乳消費量の1割を占める学校給食用牛乳の供給が学校の春休みにより休止になることに加えて、1年の中で生乳生産量が最も増加する時期が重なることから、年末年始に引き続き、生乳需給が緩和されることで処理不可能な生乳の発生が懸念されている。
森永乳業では「処理不可能な生乳の発生回避には、牛乳・乳製品の消費拡大による需要の底上げが最も重要と考えている」とし、牛乳の無償提供以外に、大人のためのミルク「PREMiL Blue」の販路拡大や、北海道産生乳100%使用のチーズと国産生乳100%使用の牛乳のレシピ提案、全国の洋菓子店向けに国産生乳を使用したクリームやその他乳製品を使用したイタリアの伝統菓子「ズコット」の提案(消費喚起)を行い、生乳の消費拡大に取り組むという。