永井酒造(群馬県川場村)は3月8日から、日本酒「MIZUBASHO Artist Series 2022片岡鶴太郎」を発売する。同商品はスパークリング酒(360ml/税込1320円、アルコール分12%)、スティル酒(720ml/1430円、アルコール分13%)、デザート酒(300ml/1100円、アルコール分12%)の3種があり、それぞれ食前、食中、食後に楽しめる。なお、これらの商品の売上の一部は、後述の尾瀬の環境を保全する活動に寄付される。
永井酒造は2020年9月に「MIZUBASHO Artist Series」の第1弾を発売し、「尾瀬の水芭蕉プロジェクト」を立ち上げた。同プロジェクトは「東京パワーテクノロジー」と「三条印刷」の協力のもと、地球温暖化の影響によりシカの食害を受けている尾瀬の原風景を取り戻すための活動。そこに尾瀬高校の協力も加わり、継続的に水芭蕉の苗を植え足していく事で、2030年までに2万株以上の水芭蕉を尾瀬の玄関口である大清水湿原に咲き誇らせることを目標として活動している。
今回の「第2弾」の発売に加え、プロジェクトへの新たな寄付スキームである「Hike for OZE」を設けることにより継続的に尾瀬の環境保護活動へ取り組むとしており、その一環として3月8日から公開する「MIZUBASHO Artist Series」公式オンラインショップで、上記3本がセットになった「Hike for OZEセット」(税込6000円)の販売を開始する。同セットでは他にも「購入者の名前入り水芭蕉苗写真」が含まれており、購入者自身が水芭蕉の保護活動に参加している事を実感しやすい内容となっている。また、購入者の中から抽選で選ばれた10人には「尾瀬でのボランティア参加権」を付与し、実際に水芭蕉の苗を植え替える作業に参加することができる。
2月25日には「MIZUBASHO Artist Series 2022片岡鶴太郎」の発表会をオンライン上で開催し、同商品を通じて支援する「尾瀬の水芭蕉プロジェクト」や、ラベルをデザインした俳優の片岡鶴太郎さんも出席し、ラベルに込めた思いなどを説明した。また、様々なコラボレーション企画を通じて同商品をはじめとしたSDGsへの取り組みを発信するインフルエンサー「水芭蕉公認ミューズ」第2期オーディションが開催されることも発表された。
発表会では永井酒造の概要やこれまでの取組を永井則吉社長が説明したのち、尾瀬の環境保護活動について「尾瀬の大清水湿原には、2007年の時点では水芭蕉は2万株植わっていたものの、地球温暖化により環境が変化した影響で、日光から鹿が下りてくるようになった。その鹿の食害により、直近では1000株程度となっていた」と説明。その上で「2030年までに元の状態に戻すため、当社としてできることを取り組んでいる。また、コロナ禍で心がしぼんでしまった人も多い。当プロジェクトを通じて水芭蕉の花を増やすだけではなく、皆様の心にも花を咲かせていきたい」と意気込みを語った。
〈酒類飲料日報2022年3月4日付〉