イートアンドHD関連会社 一品香の鳥生社長
(画像=イートアンドHD関連会社 一品香の鳥生社長)

イートアンドホールディングスで取り組む、冷凍ラーメン通販サイト「ラーメンジャーニー」が着実に支持を広げている。

人気ラーメン店の味を冷凍にして届けている。多くのメディアで話題となり、広告などを行わない中で売上は計画以上の推移だったという。参加する店舗の数を2021年2月時点の23店舗から、2023年2月末までに100店舗を目標に広げていく考えだ。そのために、まずは2022年4月にオフィシャルサイトを刷新し、提案もより強化する。イートアンドHDの関連会社、一品香の社長でサイト責任者の鳥生恒平氏に聞いた。

――通販サイト「ラーメンジャーニー」の特徴を改めてお聞かせください。

湯切り無しでも美味しく食べられる冷凍麺を使用している点です。店舗と同じ麺を届けても、家庭ではスープと麺を別で茹でる必要がありました。さらに、茹でた麺を職人のようには湯切りをできないため、スープが薄まったり、麺の食感が変化してしまう事があり、店舗本来の味を楽しんでもらえないこともありました。そこで、誰でもお店のような麺を再現できるよう、湯切り済みの冷凍麺を開発しました。これは会社で工場を持っていたため、できました(店舗によっては生麺で提供)。湯切り不要の冷凍麺を開発しましたが、湯切りをしたいという方もいたので、今後は選べるようにもしていきます。

湯切り済み冷凍麺の食べ方
(画像=湯切り済み冷凍麺の食べ方)

――どのような事をきっかけにスタートしたのですか。

多くのラーメン店で夜間の売上が下がっていたためです。他の飲食と違うところで、ラーメンは夜遅くに売上が伸びる商品です。しかし、緊急事態宣言やまん防(まん延防止等重点措置)によって売上の伸び始める夜間に店を閉めなくてはなりませんでした。

そこで、2020年7月から、グループのラーメン業態でECサイトを初めましたが、同じころからラーメン店の味を冷凍で届ける企画を考えていました。その中で、以前からご縁のあった「ドゥエイタリアン」さんに、私たちの想いに共感していただけて、「支那そばや」に参加していただけるなどしてこの企画は進みました。様々なご縁のおかげで、現在の23店舗まで広げられました。

――スタートして約半年、状況はいかがですか。

ECは認知獲得のため広告が重要と言われますが、あまり取り組めていませんでした。それでも、多くのメディアで紹介されたため、売上は右肩上がりで伸びています。売上のトップは「支那そばや」です。基本的には、「ここの商品が食べたい!」というところにお願いをして、少しずつ店舗が増えています。徐々にですが、オリジナル商品や共同開発も進めています。

――冷凍品は送料をネックに感じる方もいるかと思います。そこへの対応は何かありますか。

このサイトでは9,720円以上の注文で送料を無料にしています。他にも、送料を無料にしたお試しセット商品も販売しています。アンケートを取ったところ、送料については割り切った考えの方が多く、不満としてそれほど大きくはなかったのですが、初めて使われる方にとっては不安もあるかと思うので、お試しセットなどをまずは選んでもらえたらと思います。

――今後について、検討している取り組みなどお聞かせください。

4月にサイトのリニューアルを予定していて、そこで新たなイベントも検討しています。期待していただけたらと思います。

誰にでも、自分好みのラーメンや自分に合った店があると思います。なので将来的には、自分好みにカスタマイズして注文できるようサイトを改良したいと考えています。さらに、ラーメン店の店主とオンライン上でつながれる仕組みや、オンラインイベントの実施も検討しています。情報発信も、現在のメールマガジンからSNSに移行できればと思います。また、製造と外食のノウハウはありますが営業はまだ弱いので、そこも強化したいと考えています。店舗だけでなく、ECでも販売できるようになり、新しい時代になったのではと感じます。今までのラーメン店は、店舗の広さと商圏に限りがあり、どうしても売上に限界がありました。しかし、この枠を取り払えるようになったので、今までになかったような業態も出てくるのではと思います。

ラーメン店は全国に2万店舗以上あると言われ、味も様々です。どの店も、たった一杯のラーメンのために、人生をかけて取り組まれています。私自身、ラーメンが本当に好きで、本当に尊敬しています。それぞれの思いを、今よりも届けていけるような仕組みも作っていければと思います。そして、もっとラーメンの旅を楽しんでもらえるよう、様々な改良を進めていきます。

〈冷食日報2022年3月3日付〉