〈製造・販売機能やレストラン事業の知見活かす〉
双日(藤本昌義社長)とロイヤルホールディングス(黒須康宏社長、以下ロイヤルHD)、ユニテックフーズ(関田眞一社長)の3社は2月28日、1月20日付で植物肉事業に関する戦略的業務提携基本合意書を締結した、と発表した。今回の業務提携により、3社が共創し、ユニテックフーズが開発した植物肉「NIKUVEGE」(ニクベジ)を使用した製品を世界中の消費者に競争力のある価格・品質で提供していく。
ユニテックフーズは2002年4月に創業、食品素材の製造加工および販売、機能性素材、業務用ジャムの販売、OEM(相手先商標による受託製造)の開発から委託製造・品質管理までの業務を行う。こうしたなか、増粘多糖類や機能性素材などの開発・取り扱いを通して培った知見と高い技術力を活用し、従来の植物肉では味わえなかった肉感・うまみ・風味を再現した植物肉「NIKUVEGE」を開発した。
「NIKUVEGE」は動物性原料を一切使用しないプラントベース・ミートで、〈1〉炭焼きの香ばしい香りを付与することで、おいしいハンバーグの記憶を呼び起こし、食欲をそそる〈2〉昆布やきのこ類などうまみのあるアミノ酸を持つ食材を使うことで、日本人になじみのあるおいしさを付与〈3〉独自の配合技術で増粘多糖類を組み合わせることで、本物の動物肉を食しているようなジューシーさを再現――の3つのポイントが特徴だ。
双日グループでは今回の業務提携により、豊富な国内外のネットワークを活用し、「NIKUVEGE」と親和性の高いビジネス機会を創出する。さらに、強固な畜産品の販売チャネルや高度な加工技術を有する双日食料やミートワンなどのグループの知見を結集し、原材料調達・製造・販売・マーケティング機能を提供することで、業務用のみならず、市販用商品の開発・製造・販売も行っていく。なお、双日食料は2021年12月にユニテックフーズと「NIKUVEGE」の総販売特約店契約(独占販売契約)を締結している。
また、ロイヤルHDでは、長年培ってきたレストラン事業などの知見を活用し、「NIKUVEGE」を使ったメニュー開発や提供を行うとともに、店舗やその他の販売チャネルを通じて新たな価値を創造した料理を提供する。
このように、今後急成長が見込まれる分野として注目される植物肉おいて、ユニテックフーズが開発した「NIKUVEGE」を通じ、ロイヤルHDのメニュー開発力と双日グループが持つ製造・販売・マーケティング機能などを掛け合わせ、おいしさを追求した商品やメニューの3社共同開発を進め、今後ロイヤルグループの店舗や量販店での販売を目指し、協業を深化させていく方針だ。
〈畜産日報2022年3月1日付〉