2022年3月2日、ロンドンにてクリスティーズオークション「Post-War and Contemporary Art Day Sale」が開催。戦後から現代美術の巨匠、若いアーティストの全117作品が出品され、セールス合計は約22億円で終了した。今回のオークションより、落札価格の高かったTOP5の作品とANDARTで取り扱うアーティストの落札情報をピックアップして紹介。1£=154.74円で計算、落札価格は手数料込み。
5)アルナルド・ポモドーロ《Sfera con perforazione》
落札価格:約8,774万円(£567,000)
アルナルド・ポモドーロは1926年生まれ、現在95歳のイタリアの彫刻家。初期はハイレリーフ(立体的な表現を高めた浮き彫りのこと)の作品を制作していたが、1959年の渡米後、円盤や球体などを磨き上げたブロンズで鋳造し、1970年代には完全に3次元での表現の追求へと移行した。ポモドーロは機械的な加工は行わず、本作のような伝統的なロストワックス技法で作品を鋳造するところが特徴。(予想落札価格:約4,642〜6,190万円/£300,000〜400,000)
4)ルーチョ・フォンタナ《Concetto spaziale, Attese》
落札価格:約9,164万円(£592,200)
ルーチョ・フォンタナ(1899-1968)は、アルゼンチン生まれのイタリア人画家・彫刻家。フォンタナの代表作は、1958年から10年後に亡くなるまで続けられた「空間概念」シリーズ。空間とは何かを考察し、キャンバスに穴を開けてナイフで切り裂くといったもの(小石やガラスなどの素材を使用することもある)で、本作はその初期の作品。(予想落札価格:約6,190〜9,284万円/£400,000〜600,000)
3)ギュンター・フォルグ《Untitled》
落札価格:約9,359万円(£604,800)
ギュンター・フォルグ(1952-2013)はドイツ生まれの抽象画家。絵画だけでなく彫刻、写真と制作ジャンルは幅広く、作品はロンドンのテート・モダンやニューヨーク近代美術館など世界各地の美術館に収蔵されている。本作は2007〜2009年にかけて制作された「スポット・ペインティング」シリーズのひとつで、色彩の優位性を示す作品。(予想落札価格:約6,190〜9,284万円/£400,000〜600,000)
2)草間彌生《Pumpkin [TOWSSO]》
落札価格:約1億2,868万円(£831,600)
日本を代表するアーティスト・草間彌生のシンボル「かぼちゃ」、網目模様、水玉模様を象徴的なカラーである黒と黄色で描いた草間彌生らしさを詰め込んだキャンバス作品(2006年制作)。予想落札価格を大きく超える結果となった。作品詳細はこちら。(予想落札価格:約3,095〜4,642万円/£200,000〜300,000)
ANDARTでは、同じく黒と黄色で描かれたかぼちゃのプリント作品《南瓜 B》を取り扱い中。
1)バンクシー《Love is in the Air》
落札価格:約1億5,134万円(£978,000)
バンクシーの代表作のひとつ《Love is in the Air》は、火炎瓶を投げ込む代わりに花束を投げる若者の姿を描くことで、イスラエルとパレスチナの紛争を批判した作品。平和への強いメッセージを世界へと発信し、アーティスト、そして活動家としてのバンクシーの国際的な地位を確立した。同じモチーフでプリント作品も制作されているが、本作はステンシルで制作したキャンバス作品。(予想落札価格:約9,284〜1億2,379万円/£600,000〜800,000)
【ANDART取り扱いアーティスト落札情報】
アンディ・ウォーホル《Lenin》
落札価格:約6,239万円(£403,200)
アンディ・ウォーホルが1987年に亡くなる数ヶ月前に完成したウラジーミル・レーニンの肖像画。19世紀末に当時まだ若かったレーニンを撮影した写真が使われている。ウォーホルの有名なマリリン・モンローやエリザベス女王などの肖像画と同様に、影響力のある人物を大胆に描いた印象的な作品。(予想落札価格:約5,416〜8,511万円/£350,000〜550,000)
ADNARTでは、ウォーホルの肖像画シリーズのひとつ、エリザベス・テイラーを描いたプリント作品《Liz》を取り扱い中。
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文:ANDART編集部