矢野経済研究所
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介護システム市場規模は微増で推移する見通し

~介護記録システムは補助金やLIFE対応をきっかけに利用が広がる~

株式会社矢野経済研究所(代表取締役社長:水越孝)は、国内の介護システム市場を調査し、市場規模推移、参入企業動向、将来展望を明らかにした。

1.市場概況

介護システム市場はリプレイスによる導入が中心で、新規導入は事業所の新規開設時及び介護システムベンダー切り替えで行われる。2020年度の介護システム市場規模を、事業者売上高ベースで229億4,800万円と推計した。昨年度に続き、新型コロナウイルス感染症の影響で商談及びシステム導入作業などが困難ではあったが、介護報酬改定を受け、補助金を活用し、効率的業務を行うためのシステム導入を行った介護サービス事業者が増加した。

2.注目トピック

補助金やLIFE対応をきっかけに利用が広がる介護記録システム。LIFE対応の記録ソフトと合わせて介護請求ベンダーも変更するケースも

介護現場の業務効率化のため、「簡素化」「標準化」「ICT化」を軸に文書の負担軽減が進められている。介護サービス事業所のシステム整備に関しては、経済産業省が行う中小企業・小規模事業所を対象としたITツールの導入経費の一部を補助するIT導入補助金や厚生労働省が行う各都道府県の地域医療介護総合確保基金を活用した、ICTの導入支援が以前より行われていた。また、2021年度の介護報酬改定により開始されたLIFE※対応で、事業所の電子化がさらに進んだことが推察される。
※LIFE(Long-term care Information system For Evidence):科学的介護情報システム

3.将来展望

2021年度の介護システム市場は前年度同様にコロナ禍の影響をより、介護システム導入に関する納入時期の遅延や、介護サービス事業者の経営難によるシステム導入等を一旦見送るケース増加などが想定される。一方でそのマイナス面を補うべく、ベンダーによる商談のリモート化や、補助金活用、2021年度の介護報酬改定への対応などからシステム投資が行われ、介護システム市場規模は微増で推移する見通しである。

調査要綱

1.調査期間: 2021年10月~12月
2.調査対象: 介護ICT・高齢者向けICTサービス関連企業、介護サービス事業者等
3.調査方法: 当社専門研究員の面談(オンライン含む)、関連施設への郵送アンケート調査、ならびに文献調査併用
<介護システムとは>
介護システムは、介護保険請求における請求額の算定、ケアプランをはじめとする各種帳票類の作成、それら作成データの管理等を行う介護保険請求業務の効率化を図る目的で、介護サービス事業所に導入されるシステムである。介護保険制度下では、保険請求は電子請求(オンライン、電子媒体)が原則となっているため、各介護サービス事業所では何らかのシステム導入が必須となる。

<介護システム市場とは>
本調査における介護システム市場とは、民間事業者がパッケージやクラウド(ASP)の導入形態で提供する介護システムを対象として、事業者売上高ベースで算出した。
但し、公益社団法人国民健康保険中央会が提供する介護伝送ソフトや、それに代わり民間事業者が提供する国保連伝送サービスは含まない。
<市場に含まれる商品・サービス>
介護システム

出典資料について

資料名2021年版 介護ICT・高齢者向けICTサービス市場の将来展望
発刊日2021年12月28日
体裁A4 344ページ
価格(税込)187,000円 (本体価格 170,000円)

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