マルコメ 大豆ミート製造ライン・押出成形機
(画像=マルコメ 大豆ミート製造ライン・押出成形機)

家庭用大豆ミートの国内販売シェアトップのマルコメは、生産能力の拡大が必要と判断し、長野県の本社内に大豆ミートの製造ラインを増設した。

青木時男社長は、「今年から増設したラインでは、丸大豆を使用した『大豆のお肉』の生産を開始した。独自の技術によって、以前よりも食感、風味を大幅に進化させている」とし、さらにブラッシュアップした「大豆のお肉」で、攻勢をかける考えだ。

マルコメ 大豆ミート製造ライン・搾油機
(画像=マルコメ 大豆ミート製造ライン・搾油機)

新生産ラインの大きな特徴は、「お客様から寄せられる『大豆臭(独特な異風味)』を92%カットした。これまで使用していた脱脂大豆ではなく、丸大豆を加工することによって、圧倒的にクセの無い『大豆のお肉』の生産が可能となった」とする。

同製造ラインは省人化も図られている。同社によれば、「原料の選別から衛生処理まで効率的に大豆を処理できる。大豆の選別技術、大豆の加工技術を効率的に組み合わせることで、人を極力減らした生産体制を組むことが可能となった。一般的な製造に付く人数の半分くらいに抑えられ、省人化を図ることができた」とし、チーム体制を組んで生産に当たるという。

脱脂大豆ではなく丸大豆を用いるため、どこからでも仕入れて加工できる点も特徴だ。「丸大豆の加工品は一部で流通しているが、丸大豆の搬入から加工まで行える、即ちBean to Meat(豆から肉へ)の生産ラインは今のところ当社のみになる」とした。

脱脂大豆と丸大豆の使い分けについては、「総菜など加工を要する商品には今後も脱脂大豆を使っていく。一方、素材そのものを打ち出す商品には丸大豆から生産する」とした。

この生産ラインで製造される商品は、市販向けでは、2022年の春夏新商品の「大豆のお肉ハンバーグミックス」と「大豆のお肉ぎょうざミックス」となり、この他、業務用の生産も開始する。

〈大豆油糧日報2022年2月16日付〉