みすずコーポレーション(長野市)は2月10日、都内会場で「2月11日初午(はつうま)いなりの日」定着に向けた記者会見を開催した。ゲストにお笑い芸人のテツandトモさん、キンタロー。さんが登場し、お洒落ないなり寿司作りなどを通じて、いなり寿司の魅力を伝えた。
2月11日「初午いなりの日」は、1年で最も運気が高まる日と言われ、稲荷神社の使いである狐の好物のお揚げ、いなり寿司に願いを込めてこれらを食すと福を招くとされている。
開催に先立ちあいさつしたみすずコーポレーションの塚田裕一社長は、「当社は今年12月、創業120周年を迎える。創業は凍り豆腐から始まり、豆腐製造のノウハウを活かし1970年代に味付け油揚げを展開開始した。味付け油揚げは小売店に100%並んでおり、当社のシェアは7割を占める。今では、当社事業内容の7割が油揚げ関連で、味付け油揚げマーケットでは全国1位だ」と説明した。その上で、「いなり寿司への思いは人一倍ある。『初午いなりの日』は記念日登録されており、伝統食品のいなり寿司を根付かせていきたい」と意気込んだ。
続いて、みすずコーポレーション東京支店営業第二部の川端新氏が、「初午いなり」のプレゼンテーションを行った。いなり寿司の発祥や地域性について紹介したほか、認知度アンケート調査結果によれば、「初午いなりの日」は10%を割り、認知に課題はあるものの、食品業界ではスーパーの総菜やデパ地下、専門店で売場展開され、動きが活発化しているという。「『初午いなり』の売場演出を行い、バイキング形式で販売した企業では、前年同期比較で大きな売上を築いたところもある」と紹介した。
また、近年のいなり寿司のトレンドについて、形や大きさ、黒糖や柚子、抹茶など(皮の)味の変化、混ぜごはんのアレンジのほか、「インスタ映え」を意識したこだわりのいなり寿司が注目されているという。具材をトッピングしたいなり寿司を指す「オープンいなり」というワードや、1個300円~500円と高単価な商品も登場していると紹介した。
そのほか、「海外での寿司文化の広がりに合わせ、海外向けの取引量も増えている。コロナ禍で減速も、当社調べで北米のほか、アジア、中東、ヨーロッパに向けた出荷が増加傾向にある」とした。
〈お笑い芸人・テツandトモさん、キンタロー。さんがいなり寿司作りにチャレンジ〉
テツandトモさんは、きつね色の衣装に身を包み、「なんでだろう~」でお馴染みの漫才「初午いなりの日」バージョンを披露した。地域ごとのいなり寿司の特性や、「いなり寿司あるある」を交え、笑いを誘った。
続いて、いなり寿司作り(ささみとトマトのイタリアンいなり・ローストビーフいなり・シーフードサラダいなり)にチャレンジした。2児のお母さんでもあるキンタロー。さんは「お揚げに染み込んだ和風だしは子どもも大好き。子どもがイヤイヤ期に入りご飯を食べさせるのも大変だが、一緒に作ると食べてもらえる」とし、いなり寿司は子どもと一緒に簡単に作れることをアピールした。
最後に、テツさんは「2月11日はみんなでいなり寿司を食べて福を呼びましょう」と呼びかけた。トモさんは、「『初午いなりの日』を知らなかった人にもいなり寿司を食べてほしい。私もいっぱい食べて福を招きたい」とコメントした。
〈大豆油糧日報2022年2月15日付〉